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後味の悪い話

82名無しさん@おーぷん :2014/05/14(水)00:42:53 ID:EqQRM031X
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ガソリンの補給が終わるとまた、次の街へと向けて走り出した。彼女は唐突に言った。

「一緒に居たい」

兄は言った。

「ダメだ」

彼女は涙声で言った。

「愛している」

兄は深呼吸をしてからこう言った。

「ならなぜ、俺にキスをした」

彼女はもう何も言えなかった。兄は唐突に車を止めた。外に出て、助手席のドアを開ける。彼女は強く拒絶した。その腕を強引に掴むと、外へと引きずり出す。兄は言う。さっきの街まで十キロほどで戻れると。泣き叫ぶ彼女を置いて、車に乗り込む。弟は頭を抱えて俯く。女はなんでもないような顔をして。兄は耐え忍ぶるように。違いはあれど、後ろを見なかった。去っていく車に、彼女はとうとう泣き崩れた。

目的地は近い。兄は感染した。それでも思い出のあの場所へと向かう。咳き込む兄、すでに発症は近い。野宿をする三人。焚き火を見つめ、思い出を語る兄。

「どうしてもお前と、もう一度あの海を見たい」

弟は戸惑いながらも返事をする。その反応に兄はもう一度、強く、念を押す。今度はしっかりと頷く。安心したのか、兄は眠る。それを確認した女は弟の耳元で囁く。

「逃げましょう」

弟は首を振る。

「兄が怖いの?」

弟は首を振る。

「なら、車の鍵を盗って来て」

弟は兄だからと言う。女は感染してしまうと説得する。女は弟を言いくるめて鍵を盗らせに向かわせる。しかし、鍵は見付からない。そして兄にバレた。探していた鍵を見せつける兄。しかし、弟は代わりに銃を盗っていた。それを突き付ける弟。

「お前みたいな根性なしが俺を撃てるのか?その女の前だから格好つけたいだけなんだ。」

兄は弟を説得する。それでも弟は頑なに拒んだ。

「そんなにその女に惚れたか?道で拾った初対面の女を、この旅に誘うくらいだもんな。童貞を捨てるチャンスが出来て良かったな」

今度は挑発した。弟はその言葉にキレて、発砲する。兄を銃殺し、女と急いで逃げる。

目的地にたどり着く二人。そこでも女は電話をしたがった。弟は変わらずにある、思い出の海を眺める。女は海に目もくれず、電話があるだろう建物に近寄って行く。弟は海を眺めて、記憶を掘り起こす。そこには兄との思い出ばかりだった。

「ねぇ、弟。海なんていいから、電話はどこなの?」

彼女の問いかけに振り向きもせず、間違えられた名前の訂正もせず、走馬灯のように巡る、兄との思い出を見るのだった。
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