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後味の悪い話

3421/2 :2014/11/13(木)11:46:04 ID:1pL61EhUD
小松左京「保護鳥」

一人旅の日本人観光客がその寒村の小さなホテルに泊まると、ロビーにたむろする村人がいっせいに愛想よく声をかけた。
ジャパンから来たのか、ニッポンは元気にしているか、公害の被害を受けちゃいないか、ニッポンの数は増えたか、とどうもよくわからない質問ばかり。
しばらく噛み合わない話をして、ニッポン・バード、ニッポニア・ニッポンつまり朱鷺の事だとやっとわかった。
絶滅が危惧されるたいへん珍しい鳥を政府は関係なく村独自で保護しているので、日本の朱鷺には親近感を持っているそうだ。

だが、彼がその珍鳥の事を訊いても村人は口を濁す。
名前はアルプ鳥、かつて害鳥とされ彼らの祖先が殺しまくったのでこの村の保護区に2つがいしか残っていない。
害鳥ではあるが基本的に臆病で、こちらが手を出さなければ害をなさない。
繁殖期(ちょうどこの時期)には特別な餌が必要だが、捕まえるのが難しいようでなかなか数が増えない。
繁殖期には狂女か猛獣のような夜鳴きが激しい。
非常に敏感で、人間が近づけば巣を放棄する。

呆れた事に、ロビーにたむろする村人たちは誰もアルプ鳥の姿をはっきり見た事はないそうだ。
ロビーにも彼が泊まる部屋にもアルプ鳥の写真が飾ってあるが、ブレブレで逆光の素人写真で、大きな鳥が飛び立つ所らしいとどうにか見てとれるだけのひどい代物。

勿体ぶりやがってどうせもうとっくに絶滅してんだろ、なんの特徴もない寒村の誇りが嘘と捏造か、と思ったが、彼は村人の案内で野越え山越えアルプ鳥保護区に出掛ける事にした。
沼が点在する窪地を囲むように柵があり、木の門には
【アルプ鳥生息地】【鳥獣特別保護区につき立入禁止】
の札がある。
カメラを取り出した彼に案内の村人は、繁殖期のアルプ鳥は非常に気が立っているからと撮影禁止を厳命した。
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