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後味の悪い話

126名無しさん@おーぷん :2014/06/10(火)13:06:02 ID:UiMU1yONy
小松左京「猫の首」うろ覚え

早朝、玄関の門柱のてっぺんに猫の生首があった。
近所の物見高い連中に見つかる前にと、慌てて新聞紙で包み花壇の隅に埋めた。
娘を幼稚園に迎えに行くと若い保母が、
「お宅のお嬢ちゃん、『うちのワンワンはニャーニャーなくのよ』って言ってましたのよ」
と心配そうに小声で耳打ちした。
彼はわざと快活に、仔犬が鼻を鳴らしたのを聞き違えたのでしょう、と返した。

娘によく言って聞かせなくては、と思いながら、戸締まりをしつこく確かめてから押し入れの箱を開け中に閉じ込めておいた仔猫を部屋で遊ばせた。
"奴等"の警告は無視できない。次は妻子が狙われる、と思った彼は同好の士の経営する店に向かった。

店(ペットショップか雑貨屋。忘れた)のカウンターに符丁がわりの『ぺロー童話集/長靴をはいた猫』を置くと、同好の士である店主は顔色を変えた。
"奴等"は狂っている、今までのように猫を引き取り安全な里親を探すなんてもう無理だ、帰ってくれ!

妻子を守るため、彼は断腸の思いで仔猫を手放す事にした。
同好の士が、"奴等"の手の届かぬ小さな離島に猫を連れてこっそり移住すると聞いた彼は、仔猫を箱に詰めて港に急いだ。
夜の港には既に"奴等"がいた。
船に乗った同好の士が、早く跳び移れと叫んだが、彼は猫の入った箱を投げるだけだった。
箱が船の甲板にどさりと落ちたので彼は安堵し、遠ざかる船のエンジン音を聞いて"奴等"…突然変異で知能を得たドブネズミの群に向き合った。

数を増やし人類と協定を結んだ、人類に匹敵する知能を得た突然変異のお前らには俺たち人類の「高貴な愚行」は理解できまい。
人間の役に立つでもなく世話をしてやっても感謝するでもない、恩知らずの小さな獣…猫を守るために命を投げ出す「高貴な愚行」は。

目を光らせたドブネズミの群が彼に襲いかかり、彼を食いつくして骨までバラバラにした。
彼の噛み砕かれた骨は波に洗われ海に沈んだ。
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