- -pv
スレッドの閲覧状況:
現在、- がスレを見ています。
これまでに合計 - 表示されました。
※PC・スマホの表示回数をカウントしてます。
※24時間表示がないスレのPVはリセットされます。

だらだらと小説書いてってもいい?

1名無しさん@おーぷん:2017/10/29(日)00:01:57 ID:WY4()
不定期で書いてく
2名無しさん@おーぷん :2017/10/29(日)00:03:11 ID:WY4()
 1021日目の朝はじつに爽やかだった。
 寝心地の悪い小汚いベットには虫がわいていた。むし暑さと、巨大な換気扇の騒音に起こされた私は、味気ないレーションで腹を満たす。
 すっかり日課となった運動を軽く済ませ、あちこち傷んだスーツに着替える。鏡の向こうからのぞく顔は、頬がこけていた。昔より痩せたおかげか、以前より威厳が出たというか、パリッとしたかんじである。
3名無しさん@おーぷん :2017/11/03(金)18:23:50 ID:CpV()
「おはようございます、大統領!」

 やかましい側近の敬礼を軽く流しつつ、私は国民たちのもとへ早足で向かう。
 こちらに来てからというもの、すっかり時間感覚を忘れてしまったもので、遅刻など日常茶飯事であった。

「その呼び名はやめろと、何度も言ってるだろ」

「いえ!大統領は何があろうと、我々の大統領であります。大統領、今日もお若いですね!」

「わかりやすいお世辞で機嫌をとるな」

 私は激務から解放され、一国民として生きるつもりだった。しかしながら、人々は期待と、親しみと、あるいは怒りををこめてそう呼ぶのだ。
 大統領、と。
 なにより、彼等は指導者を求めていた。この地の底から自分たちを救い出す希望を求めていた。

 広場に着くと、まばらに人が立ち込めていた。私の話に聞き入ろうと、じっとこちらに眼差しを向けるものもいる。毎朝大した話もしないのだが。
 彼等の後ろには、仕事場へ向かう者、朝っぱらから呑んだくれるものもいる。ここに居ないものは、すでに早くから働いているか、自室で寝ているかといったところだろう。働いているものは少ない。しかし、私は彼等に職を与えてやることもできないのだ。
4名無しさん@おーぷん :2017/11/03(金)18:36:50 ID:CpV()
「ハロー、ハロー。我が国のみなさん。今日は1021日目の朝であります」

マイクから流れる放送は、地下都市全てに繋がっている。わずかで、貴重な電力を使って私にできることは、彼等に語りかけることだけ。

「本日の天気も曇り。シェルターの中は微妙に晴れです。風邪が流行っているので、体には気をつけて、手洗いうがいをちゃんとやりましょう。ちなみに、風邪には飲酒が効果的です。私も朝から呑んだくれる所存です」

 彼等は笑わない。以前は気の利いたジョークを飛ばす大統領との定評があったものの、こちらにきてからはからっきしだ。
 やかましい側近の笑い声だけが広場に響いていた。

「今月のスローガンは『節制』。シェルター内では深刻な物資不足が続いております。朝から飲むことは大変推奨されますが、節度を守って、少ない物資をみんなで分け合いながら楽しむことを心がけましょう」
5名無しさん@おーぷん :2017/11/04(土)10:27:02 ID:SZZ()
「大統領!」

 群衆の中から手が上がる。私は、『そもそも飲酒を慎め』とつっこまれるものと期待したものだが、

「どうぞ」

「以前、ずいぶん前に派遣された調査隊の件なんですが……」

 いよいよか、と私はげんなりした。どうにか暗い話題になるのを避けようと、他愛ない話というか、要すれば現実逃避的な内容ばかり話してきたというのに。しびれを切らした国民たちは、どうせ結果も分かっているというのに、悲惨な現実に話を向けようとする。

「……調査隊については、いまだに進展はありません」

 その言葉に、不安げな様子を隠しきれない顔。質問を投げかけた彼女は、被服屋というか、服を直したり、洗濯をしたりする仕事を営んでいる女性だ。私もたびたび利用しているもので、顔はよく知っていた。

「それは、芳しい結果が出ていないだけという意味でしょうか? 調査隊はまだ帰還していないのですよね? 何か連絡はあったのでしょうか」

「いえ、外の環境では通信機器が使用できないもので……。我々にできるのは、ただ、帰還を待つことだけです」
6名無しさん@おーぷん :2017/11/04(土)11:17:48 ID:SZZ()
 群衆がわずかにざわめく。当然だ。わずかに残った陸軍で編成された調査隊は、不足した物資を調達するだけの、短期間を想定したミッションに駆り出した。
 これまでのミッションでは、とくに問題もなく帰還してきた。にもかかわらず今回の調査に至っては、数日で戻るといった彼等は、数か月たった今も戻らないのだ。

「大統領……調査隊には、私の兄が参加しているのです。どうか、シェルターの人員で、捜索隊を出すことはできないでしょうか。もちろん私も参加します。どうか、大統領!」

「それは検討できない。いや、それには及ばないというべきか。彼等は軍事訓練を受けている。彼等は強い。素人の私たちとは比べるべくもない。必ず生きて帰ってくる」

「大統領……」

「我々には何もできない。できることは、ただ、生きて帰りを待つだけだ。ほかに何かある者は?」

 手をあげる者はいなかった。人々の顔にはすっかり暗い表情が浮かんでいる。ほら、これだから……現実的な話題には触れたくないのだ。
7名無しさん@おーぷん :2017/11/05(日)00:11:27 ID:oea()
 私には何もできない。
 このクソったれな状況を解決する力など持ち合わせてもいない。大統領などと大層な名前で呼ばれるべきではない、しがないジジイにすぎない。

「しかしだ皆さん。希望を忘れてはならない。我々は人類の未来を託された、わずかな生き残りだ。幸運な者たちだ」

 そう、我々は恵まれている。あの日以来、あらゆる常識の崩壊してしまった世界でも、このシェルター内では日常を送ることができる。生きることができる。

「どんなに規模が小さくても、ここは『合衆国』だ。先人たちが開拓した国で、我々は自由のスピリットを受け継いでいる。我々はやがて、いつか、外の世界で以前のような生活を送る」

 いつしか飲んだくれも、道行く人々も足を止め、私の話に聞き入っていた。

「だから皆さん、その日までは、生き延びることです。日々の中にわずかでも楽しみを見つけ、生きる活力を養いましょう。私からは以上です。では、どうか、良い一日を」
8名無しさん@おーぷん :2017/11/06(月)00:08:01 ID:goB()
 しかし、いちおうは大統領の立場にある以上、朝から飲んだくれているわけにもいかず、職務を果たす義務がある。
 まあ職務といってもざっくりしたもので、シェルター内の管理、物資の管理、警衛隊の統制など他にもさまざまだ。
 おおむね管理職みたいなものである。

「大統領! そんなにげんなりなさらずに」

 物資の在庫に関する書類をながめながら、いかに分配していくものかと頭を悩ませている横で、やかましい声が鳴りひびく。

「私がげんなりしている隣で、やかましい側近がやかましいとな? もっとげんなりしちゃうんだが」

 ひげ面に屈託のない笑顔を浮かべながら、側近はだははと笑い飛ばす。

「いやあ、大統領! いっつも自分がふさわしくないとか、役に立ってないとか、そんなくだらない事で悩んでらっしゃるでしょ?」

「訂正する。おまえはやかましい側近じゃなくて無礼な側近だ」
9名無しさん@おーぷん :2017/11/07(火)21:25:12 ID:zDr()
 このやかましくて無礼な側近――ウィンストンは、私が本当に大統領だった頃からのSPだ。
 でかくて、いかつくて、極めて無礼なやつである。しかし、

「でも大丈夫。大統領は、ちゃんとやってるって、俺、見てますから! シェルターのみんなだって、大統領が頑張ってる事わかってるんですよ」

「だから……わかりやすく機嫌をとろうとするな」

 ……まあ、それなりに信用のおけるやつではある。

「ところで大統領、そいつはなんの書類で?」

 ウィンストンは興味深そうに、私の手元にある書類をのぞき込む。

「こいつはな、ウィンストン。すごいぞ。ここの欄を見てみろ」

「へえ、どれどれ……って酒ばっかじゃないすか。これがどうしたんですか?」

「馬鹿。こいつはな。我々の未来を揺るがす一大事業というか、国家プロジェクトみたいな、要すれば私にとっての希望だ」

 いまいち要領を得ないといった風に首をかしげるウィンストンに、わかりやすく在庫の欄を指さしてやる。

「これだ」

「在庫数? あ、増えてる……ああ、もしかして! 作ってるんすか、シェルター内で」

「いかにも」

 そう。物資不足が進む一方で、シェルターの西側区画を利用し、前々より食糧生産が試みられていた。
 このシェルター、当初は資産家たちが出資して建造したものだった。大戦に備え、数万人が長期避難できるように。
 しかし、どうしたものか、とうの資産家たちは現れなかった。ここの存在を知っていた私は、国民たちを引き連れ、抜け殻のシェルターに避難したのだ。
 長期避難が想定されたシェルターには、食糧生産のため、自動化された巨大な地下農園が西側に設置されていた。多少、修理が必要ではあったものの、シェルター内の数万という人間を養うには、十分な生産力である。
 そして昨年、収穫された果物を使い、果実酒を製造する計画が発足。結果としてはまずまずで、先日受けた報告書では、おおむね半年分の果実酒の醸造に成功したとのこと。
10名無しさん@おーぷん :2017/12/15(金)00:21:23 ID:5R2
見とるで

新着レスの表示 | ここまで読んだ

名前: mail:





だらだらと小説書いてってもいい?
CRITEO