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こそこそと小説書いてく

1名無しさん@おーぷん:2017/03/27(月)20:44:52 ID:9cM()
スローペースだけど書いてく
人いなくても書いてく
2名無しさん@おーぷん :2017/03/27(月)22:30:10 ID:9cM()
『ハロー、ハロー……こちらは…………より』
 女性の声。ラジオから流れてく割れた音。
『大陸西方…域はだいたい晴れ、……によりにわか雨となり……』
 馬車をおおう幌は、雨に打たれてぽつぽつと音をたてている。幌の隙間から空をのぞくと、淀んだ空が薄暗かった。
『以上各地……気でした。次の曲はヘイ……ド』

 イントロに合わせて、アンプの繋がれていないエレキ・ギターを鳴らす。アンプはとうの昔に壊れてて、私の椅子がわりになっていた。
 エレキ・ギターが奏でる和音は微妙にずれている。音を合わせようといつも思うが、旅の途中でチューナーをどこかに忘れてきてしまって、どうにもならなかった。感覚で合わせてみたけど、どうにもしっくりこないものだ。

 ノイズ混じりのラジオ。儚いギターの音色は、雨音に吸い込まれていく。
 ……初めてギターを始めたのはいつだったっけ。すっかりうまくなったな、と我ながら思う。
 別に聴かせる相手もいないけど。
 唯一、ルーシーだけは私の演奏に耳を傾けてくれてた。無口な子で、感想を言ってくれるわけじゃないけど、くりっとした瞳で興味深そうにこちらを眺めている。
「ねえ、たまにはさ。上手いとか、下手とか、もっと聴きたいとか……何でもいいんだけど、感想を言ってほしいかな」
「……」
「言ってくれないの?」
「にゃあ」
 一鳴きすると、ルーシーは艶やかな黒い毛並みをぺろぺろと舐め始めた。

 私はいつも、エレキ・ギターを弾きながら過去に思いを馳せる。
 宇宙の年齢というのは約137億歳ほどだと、ウォーカーが言った。地球は45億歳。その長い時間のなかで、人類の歴史というのはたったの1万年ほどしかないという。
 その1万年。人々はどんな暮らしを営み、栄え、そして――滅びたのか。
 そのわずかな歴史でさえ、私が旅をした5年という時間に比べれば途方もなく長いものだ。しかし、物心ついてからの私にとって、その5年間は私の全てだった。
 そして今もまた、旅の途中――。
『……ュードでした。……皆さん、よい終末を。新世界秩序まで……』
3名無しさん@おーぷん :2017/03/28(火)01:44:24 ID:UHT()
「ハル、ちょっといいか」

 幌をめくって、その男は唐突に顔を覗かせてきた。
 突然だったから、びっくりして私は硬直した。

「頼みたいことがある」

「……何」

 この男とは5年間共に旅をしてきたけど、どうにも苦手だ。寡黙な男で、表情が変わらないから何を考えてるかわからない。

 その男――ウメムラは、共同体の診療所まで私を連れてきた。広くはない木造の建物で、診療所のわりにじめじめして小汚なかった。医者は不在らしい。

「……その男は?」

「さあな。警備をしてたら、朦朧としたふうに歩いていた。共同体の外からやってきたようだが……」

 ベッドの上で横たわっているのは、中肉中背、よりはやせ形な青年だった。金色の髪が肩まで伸びていて、女とも間違われそうだ。
 服はぼろぼろで、所々に浅い怪我をしている。意識は失っているようだ。

「ウォーカーが戻るまで、とりあえずこいつを見張っててくれ。奴がいなければ、こいつをどうするか決めかねるからな」

 ぶっちゃけ嫌だったが、とっさに断る理由が思い付かなかった。まあ、ウォーカーにとやかく言われたくもないし。引き受けよう。

「丸腰だが一応。油断するなよ」

 無言で頷くと、ウメムラは出ていった。

 放浪者。旅人。この時代、一人で共同体の外をさまようというのも珍しい。
 というのも、たいていは飢えたり、野盗に身ぐるみをはがされて野垂れ死にする場合がほとんどだからだ。
 そんな旅人の末路を、なんどもこの目で見てきた。
 しかし、この男は幸運にもそれをまぬがれたらしい。
 ……寝ている人の服をまさぐるというのも趣味が悪いだろうか。男の素性が気になったので(武器を隠し持っていないか確かめるためでもあるが)、ポケットの中などを探ってみる。
 ポケットは空。だが、首もとでネックレスがきらりと光っていた。

「R、E、X……2?」

 外してじっくり観察する。ドックタグだ。REX-2と彫られている。名前、だろうか? この男の。
 
 男の顔をまじまじと覗きこんだ。なんか、こんなことを思うのも変だけど、かわいい顔をしている。
 死んでいるかのように安らかだ。しかし、胸に手を当ててみると、かすかに鼓動が感じられる。
 何よりも、生きている“気配”は感じられる。
4名無しさん@おーぷん :2017/03/28(火)01:47:21 ID:UHT()
 ぱち、と男の目が開いた。

「うひぁっっっ……!?」

 びっくりした!
 私は瞬時に遠ざかった。男はきょとんとした顔でこっちを見ている。

「ひょっとして……あんたが看病してくれてたのか?」

「ま、まあ……?」

 実際のところはなにもしていないのだけど、流れで答えてしまった。

「そっか。ありがとな!」

 男は素直な笑みを浮かべた。なんだか純粋そうな感じの。

「ここは……?」

「あ、こ、ここは……町の診療所」

「診療所? 覚えがないな……何で俺ここにいるんだ? ……うげっ服もボロボロじゃん!」

「町のはずれを、さまよってたらしいんだけど」

 男は眉をひそめた。

「どこから来たか分かる?」

「うーん……?」

 男はそのまま黙りこんだ。しばらく考えた後、男は向き直って口をひらいた。

「俺って誰だ?」
5名無しさん@おーぷん :2017/03/28(火)12:05:50 ID:UHT()
 記憶喪失、というやつらしい。
 男は、自分がどこから来たのかはおろか、何をしていたのか、自分がなんなのかさえ分からないようだった。

「しかし、ずいぶんへんぴな所だな」

 そして世界の現状についてもまた、覚えていない(知らない?)ようだ。男は共同体を歩きながら、不思議そうにきょろきょろと辺りを見渡している。

「……ここらじゃずいぶんましな方だよ。農場も近くにあって、食料供給も十分されてるようだし」

「ふーん」
6名無しさん@おーぷん :2017/03/28(火)12:08:09 ID:UHT()


 野盗のやり口で、遭難者を装って盗みをはたらくものがある。
 滅多にあることじゃないが、同じような手口で馬車をもっていかれかけた事も過去にはあった。
 見張り役として私がまかされたのは、その可能性を考えた結果だろう。男が目覚めたあと、私は“フィーリング”した。

「ちょっと、手を」

 私は、ギターを弾くときと、このときだけはグローブを外す。指先まで保護されたタクティカルグローブ。他人を拒む結界。
 男をベッドに座らせて、手を差し出した。

「え、ちょ、何」

「握って」

 何だかこれをやるのは気恥ずかしいというか、いつも変な反応をされるので気が進まない。
 手を握った瞬間、ぼんやりとした感情、思考がなだれ込んできた。
 困惑。安心。子供。逃避。出口。食べ物。

「……子供あつかいするな」

「な……いや子供だろ。しかし、なんで――」

 きつく男をにらんでやった。

「あんまり見つめるなよ。恥ずかしいだろ」

「にらんでるんだけど」

 しかしこの男、嘘をついているわけではないらしい。

「でも、逃げたってどうにもならないよ。ここから隣の安全な共同体までは、数百キロある。素直に私たちに従ったほうがいい」

「逃げねーよ」

「逃げることを考えてた」

「……もしかして、あれか? あんた、人の心を読むのか。メンタリズム的な」
7名無しさん@おーぷん :2017/03/28(火)12:09:03 ID:UHT()

 グローブをはめ直す。
 テーブルの上にはウメムラが置いてったパンと水筒があったので、男に投げてやる。男はあわててキャッチした。

「お腹へってるでしょ」

「減ってるな。……ありがとう」

「それと、これ」

 男がかけていたドックタグも投げた。パンをむさぼりながら、男は片手で受け取った。

「あなたのものだから……勝手に取ってごめん。返すね」

「なんだこりゃ?」

「あなたは“レックス”……多分」

 男――レックスは、不思議そうにドックタグを眺めた。

「レックス。……すこし歩こう」
8名無しさん@おーぷん :2017/03/28(火)19:49:36 ID:UHT()
 世界は壊れてしまった。
しかし、全てが急速に失われていった訳じゃない。
 最初の数ヵ月は電気が使えた。1年間までは車が使えた。船が使えた。
 もう記憶も曖昧だけど、旅のはじめはトラックなんかで移動していた。今より便利だった。
 しばらくすると燃料が底を尽きた。わずかに残された燃料も、ことごとく劣化して使えなくなった。
 常に奪い合いが日常だった。
 人々は武装して、食料や物資を手にいれるため殺しあった。私たちもまた、生きるために何人も殺した。

 気がつくと、文明は崩壊していた。

 崩壊前の世界には、“インターネット”があったらしい。
 なんでも、電気の力を使って世界中の人たちと通信することができたみたいだ。
 過去の人たちはどんな思いで日々を生きていたんだろう。
 幼い頃の平和な世界は記憶とともに失われていった。
9名無しさん@おーぷん :2017/03/28(火)21:00:42 ID:UHT()
「ふーん……」

 興味があるのかないのかよくわからない、曖昧な返事。

「……聞いてた?」

「も、もちろん聞いてたって」

 なんとなく話が飲み込めてないといったふうだ。もっとも、意識を取り戻してすぐにこんな話をされても実感がわかないだろうけど。

「崩壊前の世界ってのも俺……あんまピンとこなくて」

「その頃の記憶までないの?」

「どうだろ……。車とか船とか、インターネットもどんなものか知ってるけど、それらがある世界で暮らしてる記憶ってのが……どうにも」

 雨はすでに止んでいた。でも、空を見上げてみると、相変わらず暗い空もようだ。
 湿った空気の中、特にあてもなくぶらぶらと歩いていく。

「でも、全滅したってわけじゃないんだろ」

「うん。力のある人たちとか、農業のできる人たちはかろうじて生き残ってる。この町とか、私たちもそう。」

 かつて国と呼ばれていたものはとうに消え去ってしまった。
 それでも、数少ない生き残りは町や村、キャラバンなど、大なり小なりのコミュニティ(共同体)を築き上げて生活していた。
10シモン◆MOCOY8gPys :2017/04/21(金)23:00:52 ID:ONK
客観的に読んで推敲してみよう
11名無しさん@おーぷん :2017/04/24(月)02:32:56 ID:JcR
>>10
お前のよりゃよっぼまどましだよバーカ
12ねこ :2017/04/27(木)05:51:00 ID:nZm
結構面白そうな作品

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