- -pv
スレッドの閲覧状況:
現在、- がスレを見ています。
これまでに合計 - 表示されました。
※PC・スマホの表示回数をカウントしてます。
※24時間表示がないスレのPVはリセットされます。

まったりSS書くからキャラ貸してくれ【砂塵の章】

1菩薩◆XuHlfjDjx0ab:2015/11/15(日)19:08:48 ID:uEN()
キャラの名前・性別・容姿・能力・その他諸々をご自由にお書きください
世界観は中世ヨーロッパ、中央アジア、インド、日本etc…で、大まかに人間VS魔族(モンスター)という対立構造になっています
人口の98%が戦士という対魔族専用村を拠点に魔族を狩ってゆく話なので、モンスターの設定も勿論大歓迎
※1 現在キャラ募集は凍結しております
※2 強制sageがかかったので移転してきました

まったりSS書くからキャラ貸してくれ
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1434382932/l30

まったりSS書くからキャラ貸してくれ【砂塵の章】(VIP版)
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1437707800/l50

まったりSS物語wiki
http://wikiwiki.jp/bokutotu/?FrontPage
462名無しさん@おーぷん :2017/04/15(土)17:54:58 ID:bRh
更新ウレシイ…ウレシイ…
463冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/15(土)18:30:09 ID:pqk
>>462
トハラ編をさっさと終わらせて早く日常編に持ち込みます
そんでもって戦争
464冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/15(土)19:09:37 ID:pqk
族長はポガロと名乗った。海を隔てた極東と狂戦士族の島以外、全ての国に行ったことがあり、モール族独自の情報網を築き上げてきたという。
デビルタームの不穏な動きは以前から察知していたが、背後に潜む魔族長の影までは認識することができなかった。
ポガロは太い眉で隠れた目から大粒の悔し涙をこぼし、嗄れた声でそう語った。
ステテコパンツのゴムをいじくりながら、虎男が風穴の奥へいざなうポガロに質問する。

タイガー「ふむふむ……。つまり、デビルターム単独の力でなく魔族長の助力もあったと」

ポガロ「はい。魔族長の派遣した軍隊が強いのなんの。全身が金属でできていて、我々の爪や武器がまるで通用しないのです」

タイガー「それはメタルソルジャーという魔族だ。バイバルスのメンバーが時々狩っていたから分かる。連中に物理攻撃は効かんぞ」

ポガロ「で、ではどうすれば……」

タイガー「少し考えれば、いかようにも料理できる。炎で燃やすも氷で凍らせるも、誘導して崖に落としたり岩で潰すのもありだ」

『彼ら』も同じ戦法を取っていた。
それはタイガーが初めてトハラへ来た時の記憶。
疲れ果て動けなかった彼をかばい、圧倒的な魔法と知略でメタルソルジャーの堅牢な鎧を打ち砕いた戦士達。
何もかも失い絶望の淵に立たされていた自分に、手を差し伸べてくれた雌狼の獣人。
あの日から、新人として働き始めたあの日から、全ては始まっていたのだ。
自分がダムドラと再び戦うことは、運命づけられていたのだ。

クナラズ「どうした、足を止めて」

タイガー「ん? ああ、すまない。昔のことを思い出しただけだ」
465冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/21(金)09:32:39 ID:c1s
ダムドラという名を思い浮かべるたび、過去の記憶がじんわりとぼやけた輪郭ながらも滲んでくる。バイバルスと出会ったこと。命からがら大陸へ流れついたこと。そして、ダムドラに囚われている少女と過ごした日々のこと。
タイガーは全容を知りながらも、その記憶を心の奥底へしまい込んでいた。他人に話したところで、傷が癒えるわけでない。そもそも、自分は孤高の剣士を貫こうと決めたではないか。
しかし。

タイガー「クナラズ、アグサを呼んでこい」

クナラズ「ウム」

これからデビルタームと干戈を交えるにあたり、きっとダムドラとも出会うだろう。その時、自分は命を賭して少女ーー名をミズハというーーを救うに違いない。
ひとつ、話しておかなければ。自分が死んだ後、ミズハを頼める者がいるかどうか、確かめておかなければ。それゆえ、タイガーは皆を集めて、過去の記憶を語ることにしたのである。

レムラス「皇子様が赴くまでもありません。僕がササッと連れ戻してきます」

クナラズ「ああ……すまないな」

ごつごつとした壁によりかかりながら、タイガーは外へ駆けてゆくレムラスを眺めていた。まるで、かつての自分を重ねているように。
466冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/21(金)09:35:35 ID:c1s
ながら多過ぎた
死ぬ(~_~;)
467冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/22(土)01:18:55 ID:yH8
俺は投稿の鬼になる
いちはやくVIPに戻ってやる
468冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/24(月)23:06:03 ID:1cv
アグサは洞窟から少し離れた小高い丘の上で、一人膝を抱えて座っていた。
全員の前で啖呵を切った以上、今晩だけは死んでも合流する気はなかった。
しかし、身体は正直だ。無駄な強がりなど言っていられない。寒い。
ただでさえ気温が零度近くまで下がる大陸西部で、雨が土砂降りの中、半袖で野宿など自殺行為に等しい。
旅の疲れが溜まって錯乱状態にあるのではないか。そう噂されても返す言葉が見当たらぬ。
雨で濡れた小さな石が薄い服越しに尻に食い込み、アグサは舌打ちをしながら座る位置を変えた。

アグサ「何してるんだろ、ウチ」

アグサは顔を上げた。
とある考えが頭の中に浮かんだのだ。
辺りを見渡す。あるのは緑のない大地と白い靄だけ。好機。
誰もいない今なら、こっそりトハラに帰ることができるかもしれない。
立ち上がりかけたその時。

「なんだ、意外と近くにいたじゃん」

ふと、降り注ぐ雨が途絶えた。
真上を振り仰げば、骨子に獣の皮を張り付けただけの丸い傘が一つ。
そして自分の傍に茶髪の少年剣士が佇んでいるのだった。
アグサは再び舌打ちをして、ぼやくように呟いた。

アグサ「レムラス……どうして……」

レムラス「雨に打たれてたら風邪を引くと思ってさ」

アグサ「……別に来なくていいのに」

二人の間に沈黙が降りる。

レムラス「君はもっと、しっかりした人だと思ってたけどなぁ」

彼の何気ない一言が、胸の奥に突き刺さる。
悔しい。自分の判断が間違っていたような言い草だ。
アグサの気持ちを知ってか知らずか、レムラスの口調は普段よりも優しかった。

レムラス「ごめんよ、悲しませるつもりはなかった。さあ、洞窟へ戻ろう。君が心配していることは何もない」

レムラス「それとも、ここで一夜を明かすかい? だったら、僕も付き合うよ」

君の背中を守るのは僕だからね。レムラスはさも得意げに胸を張って剣を引き抜いた。
刀身がわずかに青く点滅している。水の大精霊とやらが抗議しているのだろうか。アグサに知る術はない。
469名無しさん@おーぷん :2017/04/27(木)03:13:07 ID:r8g
コイニハッテンシテ…
470ねこ :2017/04/27(木)05:49:40 ID:nZm
すげえ
折れずにまだ続いている
相変わらず文章うまい
471冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/27(木)10:17:55 ID:LC4
>>469
一級フラグ建築士
だが惚れた女には一途
それがレムラスだと思ふ

>>470
本当に一人だったらとっくに折れてるね
隣に同じようなスレがあるから、あっちよりも早く終わらせてやるって対抗心が生まれる
472名無しさん@おーぷん :2017/04/27(木)11:12:34 ID:fpf
もはやハルシャが空気な件
473冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/27(木)12:16:02 ID:LC4
>>472
トハラ編だからどうしても空気になる
474名無しさん@おーぷん :2017/04/29(土)13:40:09 ID:6cR
アグサはわしが育てた

(主要キャラになっててうれしい)
475名無しさん@おーぷん :2017/04/29(土)13:48:29 ID:6cR
最近板荒れてるけど此方に飛び火しないのを祈るばかりだ…
476冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/29(土)18:04:52 ID:RYt
>>474
愚痴をこぼしながらも、なんだかんだ変態の集団についていく
各々が暴走しないよう馭者の役目を果たすのがアグサ
とは言っても、今みたいに馭者が手綱を放って何処に走り出すケースもあるけど

>>475
飛び火はしないっしょ
別にそこまで喧嘩売ってないし
埋められても立てりゃいいの精神でやっとるから
477名無しさん@おーぷん :2017/05/06(土)02:44:49 ID:CZS
(´・ω・`)
478冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/06(土)21:12:08 ID:0px
アグサ「ねぇ、レムラス」

彼女は膝の間に顔をうずめて、傍らに立つ少年の名を呼んだ。その声は酷く嗄れていた。
まるで、悪魔が身体の中に入り込んで、勝手にアグサの本音を引きずり出しているような。
ポツンと口から飛び出した言葉。恐らく疲れによる愚痴なのだろうが、泣きごとや不満と言うにはあまりに重過ぎた。

アグサ「トハラに帰りたい」

やはり父母のことが気にかかる。トハラ学院の単位も取らねばならぬし、庭にある葡萄の世話もしなくては。場の空気に呑まれて旅立ちを決意したものの、冷静になれば愚かも愚か。
自分には平和な日常が向いている。先の分からない冒険など、もう沢山だ。

アグサ「安定した生活が欲しいの。アンタには分からないでしょうけど」

レムラス「……じゃあ聞くがね、その安定がずっと、それこそ君がヨボヨボの婆さんになるまで続くと思う? 僕は思わないな」

アグサ「どういうこと?」

レムラス「君もトハラのマニ車で戦っただろう? デビルタームの脅威はすぐそこまで来ている。張りぼての平和に酔う時間なんてない」

アグサ「アンタ……」

レムラス「前へ進むんだ。どんな苦難があっても、たとえ誰かを失ったとしても、最後まで走り続けるんだ。そして、きっと二人で仮初の日常を確かなものへと変えよう」

アグサ「アンタ……そんなキャラだっけ? 張りぼてガーとか仮初ガーとか。でも、ありがとう。ちょっとだけ元気が出た」

レムラス「そいつぁ良かったよ。まさに、一石二鳥ってやつだね」

アグサ「一石二鳥?」

レムラス「いや、少しね。アグサにも繊細な一面があるんだなぁと。いつも怒鳴ってばかりのがさつな女だからさ」

アグサ「なッ……! がさつ!?」

レムラス「こういうの見せられると困っちゃうよね。調子が狂うというか。まぁ、どっちも可愛いから強くは言えないんだけど」

アグサ「ねぇ、こっち向きなさいよ」

レムラス「ん? どうしたの? 野蛮な……」

直後、レムラスが氷の彫像にされたのは語るまでもない。
479冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)00:20:36 ID:JvB
一方、モール族の洞窟では。
魔獣の骨を削って作った丸い食卓を、クナラズ・タイガー・ポガロ・ソルティドッグの四名が囲んでいた。
ハーゲル王国の存在を知るポガロにとって、クナラズはまさに国賓。最上級のもてなしをせねばならぬ。
そういうわけで、四人の前には世界各地から取り寄せた山海の珍味が並べられている。
ソルティドッグは蒸したボンバーソーセージを齧りながら、低い天井を仰いでさぞ悲しそうに嘆いた。

ソルティドッグ「まったく、いつまで待たせる気だろう。神の声を聴く礼拝時刻(ワースィップ・タイム)が迫っているというのに」

クナラズ「黙って待て。探すのに手こずっているか、あるいは敵と交戦中なのかもしれん」

タイガー「ふむふむ、この雨なら進軍の物音も消すこともできよう。だが、『聡明な』女王がわざわざこんな収穫もなさそうな廃墟に足を運ぶと思うかね」

ソルティドッグ「Don't worry……心配御無用と。タイガー殿は戦の経験を多く積んでいらっしゃるようだ。もしや、ハーゲル王国の将軍?」

タイガー「それをこれから話すのだ。ヘラヘラと笑うな」

ソルティドッグ「ところでポガロ殿、その皿に盛ってあるべチョッとした……ネチョッとした……」

ポガロ「鯖缶ですね。脳味噌をくり抜いてそのまま乗せました。鮮度がある内にお食べください」

クナラズ「缶に脳味噌なんぞあるのか……やはり世界は広い」

暫くして、耳まで林檎のごとく赤らめたアグサが不機嫌な様子で入ってきた。レムラスの姿は見えない。
何があったか見当はつく。あのお調子者が、またアグサのことをからかったのだろう。
まだアグサもレムラスも戦士として、王に仕える者としての自覚が足りない。
クナラズは内心、残念そうに溜息をついた。

タイガー「レムラスはどうした」

アグサ「あんな奴、知らないッ」

タイガー「どうしたと聞いている」

アグサの熱も、虎男の無機質な瞳を見ると瞬時に冷めたようだった。
そっぽを向き、口を尖らせ、消え入りそうな声でボソボソ呟く。

アグサ「外で雨に打たれてるわよ。だって、あんまり失礼なことを言うんだもの……」

タイガー「持ってこい。一応、奴にも聞かせておきたい」

アグサ「聞かせるって、何を?」

タイガー「俺が理性を保つことのできる、唯一の狂戦士。ダムドラを狙う理由。ここまで来たからには、共に戦う貴様らにも伝えねばと思ってな」
480冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)00:21:51 ID:JvB
タイガーはLunaticのイーフィと同族だったわけですねー
481冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)00:38:31 ID:JvB
物語の流れ

【サンバドル編】
①ハルシャ(主人公)が魔族長に負けてサンバドル村に来る。
②スルメ倶楽部のハゲスルメマンとクラリスがLunaticの闇騎士を倒す。闇騎士、外法により竜化。
③ハルシャが教会にて、ジークとルーミアを倒し、仲間にする。ハルシャ組結成
④スルメ倶楽部が新種の魔族・ディグノーを討つ。クラリスを治療するため教会へ飛ぶ。
⑤ハインリヒ神父とミラが登場。神父は絶大な魔力でクラリスを治癒する。
⑥サンバドル村2位のHarmoniaリーダー・メリーシャが村1位ギルド・Lunaticの館へ招かれる。
⑦魔族長テングリカガン、バルド、ラグードと交戦。撃退。
⑧闘技場編。HarmoniaVSバニー・レインボー
⑨魔竜デズモンド乱入。ハルシャがおかしくなる。しかし、ニュウ・クースーにより精神攻撃から解放される
482冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)00:45:58 ID:JvB
【トハラ編】
①クナラズ・D・ハーゲルが国王からデビルターム掃討を命じられる。
②トハラ学院の生徒レムラスとアグサが、マニ車でクナラズと会う。デビルタームに襲撃されるも、タイガーの助力で討伐完了
③王宮では、Lunaticの長・武琉により長男ケトーメロ・D・ハーゲルが死亡。次男キラメロが即位。
④レムラスがタイガーは許されざる裏切り者であるとの文献をトハラ学院の図書室で発見。
⑤タイガーがミリカの木賃宿で占い師ゲイリーと出会う。
⑥レムラスがタイガーと共に精霊の湖でウンディーネと交戦。ダムドラと会う。
⑦クナラズ一行がモール族の洞窟に泊まる
483冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)00:46:42 ID:JvB
大まかに言うとこんな感じ
流れが訳わからん人用
484冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)15:32:00 ID:JvB
数百年も昔、まだギルドの概念がなかった頃。狂戦士族の島では、部族全体を揺るがす大事件が起こっていた。ムール王子の脱走である。
鬱蒼と茂る夜の森を駈けてゆく、二つの影。日に焼けた黒い長髪の男と、降り積もった新雪のような白い肌を持つ少女。

ムール「ミズハ、疲れてないか!?」

ミズハ「私は大丈夫です。でも、こんなことをしたら王子様の立場が……」

ムール「お前と添い遂げるためなら、掟なんかどうだっていい」

ミズハ「そんな……」

狂戦士族は純粋な戦闘民族だ。
強靭な肉体の秘訣が、遺伝子にあることを知っている。
蜘蛛の糸を束ねて鋼の如く頑丈にするように、彼らは近親相姦を繰り返し最強の武人を生み出して来たのだ。
それ故、異邦人との婚姻は許されない。村で唯一の掟であり、破った者には凄惨な死が与えられる。
たとえ、王族であろうとも。

ミズハ「狂戦士の島など、興味本位でも来なければよかった。来なければ、こんな苦しい思いをせず済んだのに……」

ミズハは、極東から来た行商人の娘だった。最初の挨拶でムール王子と対面した時、二人は一目見て互いに恋に落ちたのだ。急接近するムールとミズハを、周囲が快く感じるはずもなく。ついに『駆け落ち』という形で、ムールが嫌がるミズハを無理やり連れ出したのである。

ムール「もう少しだ、ミズハ。もう少しで浜辺に着く。粗末だが、丸太を削り作った舟があるんだ。それに乗って、大陸まで行こう」

ミズハ「すみません、お父様。私には王子様を止めることができません。不孝な娘を、どうか許してください」
485名無しさん@おーぷん :2017/05/08(月)19:24:27 ID:jf9
新編かな…?
どんなキャラだったか忘れてしまった
wiki見てくる
486冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)19:51:48 ID:4Td
>>485
残念ながら新編はまだ先
wikiでタイガーの項目を見れば、大体の流れは掴めると思う
487名無しさん@おーぷん :2017/05/09(火)17:57:02 ID:Z4z
ムール「あれだ!」

ムールが指差した先、浜辺から不自然に突き出た細長い桟橋に丸太舟は停めてあった。
激しく脚体に打ちつける波のせいで、今にもひっくり返りそうだ。ミズハは疑問を抱いた。
星が見えるので、嵐ではないはず。
だが、この波立ち具合はどうしたものか。
白い飛沫の放つ、言いようもないこの禍々しさは何なのか。ただの杞憂であれば良いのだが、ミズハは自分の勘に自信があった。

ムール「おい、気分悪くなったか?」

ミズハ「いえ、何でもないです……。今日はちょっと波が立ってるかなと」

ムール「そうだな……まぁいい。早く渡ってしまおう。さ、乗れ。俺が支えてやるから」

ミズハは緋袴の裾をたくし上げ、恐る恐る丸太舟に左脚を入れた。心臓が跳ねる。脂汗が額に滲み出る。掟を破った上に、駆け落ちまで。
想像を絶するほどの重圧や罪悪感に、彼女は押し潰されそうだった。

ムール「いいか、悪いのは俺だ。お前は悪くない。もし奴らがお前を殺そうとしたら、俺は全身全霊をかけて奴らを殺す」

彼の言う『奴ら』とは、もちろん狂戦士族のことだろう。自分が、内紛の火種となっている。
この世から消えてしまいたい。そう枕を濡らした夜は幾日あったろう。だが、自殺など無意味であることを、ミズハは知っていた。
そして何より、小刀で首を切り裂く勇気が彼女にはなかったのだ。
488冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/09(火)17:59:42 ID:Z4z
狂戦士族は裏切り者の存在を許さない
地の果てまで追いかけ、その目と耳に溶けた銅を流し込む
銅がなければ油を、油が無ければ湯を
湯がなければ素手で頭をかち割って、脳味噌を裏切り者の口に押し込みます
蛮族の中の蛮族
489冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/09(火)18:07:13 ID:Z4z
ちなみにミズハが生きた頃の極東は奈良時代をモデルにしてます
8世紀前半あたりですかね
御長谷やヤクルトあかり、ハゲ陰陽師の時代はそれから300年くらい後なので、11世紀あたりが舞台となります
ちょうど、平安時代の中期。前九年の役があったころ
490名無しさん@おーぷん :2017/05/10(水)01:36:36 ID:T89
んにゃぴ…
491冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/10(水)23:25:36 ID:nsx
ミズハを舳先側に座らせ自らも乗り込むと、ムールは舟を漕ぎ出した。
荒波の航海は不安が残るものの、浜辺に止まれば死あるのみ。
降り注ぐ月光が潮の匂いと混じり合い、海を渡る一組の男女を蒼く照らし出す。
出だしは上々、左へ流されつつも順調に舟は島から離れていく。

ムール「ハハハ、やったぞ! こんな島とはオサラバだ! 俺達は自由になった!」

両手に握りしめた櫂を振り上げ、歓喜の雄叫びをあげるムール。

ミズハ「あの、王子様……。やっぱり引き返しませんか? 海まで来て言うのも、遅すぎたかもしれないですけど……」

ムール「やめろ、王子様なんて。ムールでいい。むしろムールと呼べ。敬語もいらん」

ミズハ「……ムール、さま」

ムール「様はいらん! この分からず屋め」

せっかく夫婦水入らずの状況となったのだ。周りに気を遣うことはない。
そう何度もムールは言ったが、島に来てからずっと続けてきた丁寧語をいきなり変えるのは、ミズハにとって難しいものだった。
自分が自分でなくなったような、不思議な感じがする。

ムール「俺が連れださなかったら、お前の命は遅かれ早かれ尽きていた。奴らは異邦人を毛嫌いする。純血を穢す悪魔としてな」

ミズハ「えぇ……お父様と私には、みんな優しくしてくれたじゃない」

ムール「クスシ? よく分からんが、医者にゃ手は出せない。ただし、娘は別だ。いつか村総出でお前の家を襲い、身体中の穴という穴に溶けた銅を流し込もうと会議していた」

ミズハ「……」

ムール「だが、どうでもいいんだ。もう俺達は島に戻らん。暗い話をしても仕方がない。そうだ、お前の親父。親父の話が聞きたい」

ミズハ「私の話は聞きたくない?」

ムール「いや、まずは親父だ。いずれキョクトーへ挨拶にいく。親父の好きな物を予習しておけば、良い婿だと褒められる」

ミズハ「ふふ、変な人」

ミズハは袖で口元を隠し、クスクスと笑った。
492カラームチョ◆MUCHOjWTUI :2017/05/12(金)20:43:40 ID:ZBx
(`;ω;´)
493名無しさん@おーぷん :2017/05/19(金)05:17:30 ID:Sjs
待ってるよ
494冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/20(土)00:52:51 ID:9kL
すみません
サークル関係で投稿が少し遅れます
もうすぐ終わる、もうすぐ終わると言いながら一向に終わる気配を見せないトハラ編











もうすぐ終わります
そしたらハルシャ編に入ります
極東はだいぶ先になりそう
495名無しさん@おーぷん :2017/05/25(木)06:03:02 ID:2yk
(´-ω-`)
496冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/31(水)20:54:09 ID:FLb
しばらくなんでも実況VIPに活動拠点を移します
番外編でエグバート王国と魔族について書く予定です
本編の過去といった位置付けで見てもらえれば幸いです
もちろん、キャラ募集もします
よろしくお願いします
497名無しさん@おーぷん :2017/05/31(水)21:57:03 ID:OEx
リンクお願いしたいな
498冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/31(水)23:51:57 ID:FLb
6月上旬に始動予定
499冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/06/01(木)14:59:12 ID:QIj
番外編ってか聖剣戦争編始動
まだ大まかなプロットしか決まってない
本編も暇があれば進めます
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livevenus/1496296647/l50
500名無しさん@おーぷん :2017/06/05(月)23:56:40 ID:wVR
どっちも見てるから取り敢えず更新はやくうう!
501名無しさん@おーぷん :2017/06/07(水)06:07:08 ID:CZR
(´-ω-`)
502名無しさん@おーぷん :2017/06/28(水)09:04:59 ID:0Kl

503名無しさん@おーぷん :2017/06/28(水)17:58:40 ID:PH4

504名無しさん@おーぷん :2017/07/04(火)13:31:54 ID:W8G
(´-ω-`)
505名無しさん@おーぷん :2017/07/26(水)18:04:54 ID:cNa

506名無しさん@おーぷん :2017/08/16(水)20:40:14 ID:eQq

507名無しさん@おーぷん :2017/08/29(火)23:58:28 ID:weD
Ho
508名無しさん@おーぷん :2017/09/01(金)01:36:24 ID:rT8
mo
509名無しさん@おーぷん :2017/09/14(木)18:53:15 ID:iDW
(´-ω-`)
510名無しさん@おーぷん :2017/09/28(木)00:22:43 ID:OlK
a
511名無しさん@おーぷん :2017/12/16(土)07:53:32 ID:OQ1
未完(´-ω-`)…

新着レスの表示 | ここまで読んだ

名前: mail:





まったりSS書くからキャラ貸してくれ【砂塵の章】
CRITEO