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まったりSS書くからキャラ貸してくれ【砂塵の章】

401冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/01/23(月)14:14:11 ID:d9D
クナラズは挙兵のため
タイガーは記憶の片隅に住む少女のため
それぞれの思惑が絡まり、周囲を巻き込みながらデビルターム決戦へ突き進みます
ハゲ皇子達は果たして、大陸西部に一大勢力を築き上げることができるのかー
402冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/01/26(木)23:27:43 ID:KPV
レムラスは人混みに入りつつ、アグサを探していた。

レムラス「アグサ、絶対怒ってるよなー。悪いのは僕だけど、拳骨だけは嫌だなー」

ウンディーネ「アグサとは誰じゃ?」

レムラス「僕と一緒に旅をしてる女の子。鳥人族は温厚なはずなのに、あの子とっても気が強いんだ」

ウンディーネ「そうか尻に敷かれてるわけじゃな。色々と面倒そうじゃ。ちょい部屋を借りるぞ」

レムラス「は?」

少女の身体が泡のように四散し、レムラスの剣へ吸い込まれていった。焦って鞘から剣を引き抜くと、仄かな蒼白い煌めきが月光のように手元を照らし出した。精霊が憑依した証として、彼の刀は水属性の魔力をまとったのである。

レムラス「なんだこれ……」

ウンディーネ「ムフフ、驚いたじゃろう。お主の剣に取り憑いたぞ。暫くはここを仮寝の宿とさせてもらうわ」

レムラス「仮寝の宿だって?」

ウンディーネ「うむ。元の力を取り戻すまで、お主と行動することを決めた。ま、簡単に言えば試用期間みたいなものじゃな」

ウンディーネ「しっかし汚い剣じゃのう。手入れしてるのか? あちこちにガタが来ておるぞ。不快じゃ不快じゃ!」

レムラス「贅沢言うなよ、腕のいい鍛冶師がいないんだから」

???「ほう……腕のいい鍛冶師、か……」
403冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/01/26(木)23:29:50 ID:KPV
隣から風采の上がらない格好をした青年が、ズイッと顔を突き出してきた。眼の下にくっきりと影のような隈があり、肌は白く、短く切り揃えた黒髪にはフケが積もっている。見るからに怪しい。長い冬眠を終えて洞窟から出てきた熊のような、ともかく良い印象ではない。

レムラス「鍛冶師について、何か知っているのかい?」

ソルティドッグ「この私、『狂気に満ちた暗黒錬金術師(マッドネスダークアルケミスト)』。耳にしたことくらいあるだろう?」
レムラス「いいえ、知りません」

ソルティドッグ「お? 知らんのか? フッ……これだから『愚者(ザ・フール)』は面倒なのだよ。また最初から説明せねばならん」

時はアディスト暦546年、北の覇権を握るパーデクト帝国に一人の珠のように美しい皇子が生まれた。
名をソルティドッグ。パーデクト語で『神の恩寵を受けし聖人の御子』の意。凄まじい美少年。知能指数は5000。
動植物に名前を付けるのが好きで、最近の自信作は路傍のタンポポにつけた『灼熱の獅子男爵(ヒートダンデライオン)」。
あまりに顔面が美しく、その衝撃波で世界一高いロルッソティプラン山を木っ端微塵に破壊したことがある。
生まれた時に立ち上がり天を指差して『天にまします我らが神よ、その御力を我に授けよ』と斜に構えながら呟いた。
全世界の富を一身に受けた彼は14歳の時、この世が無常であることを悟り、家を出奔する。
顔から流れ出る汗によって、枯れ果てた不毛の荒野は緑の大地へと蘇り、花々は咲き乱れ、美女は歓喜乱舞した。
どうやらソルティドッグ、体内から分泌される汗に生命を復活させるほどのイケメン成分が含まれているらしい。
このエキスでたぶらかした王女は数知れない。北はゾルォディエ帝国から南はボンボロポンポン族の娘まで……。

ウンディーネ「パーデクト? ボンボン? そんな国は見たことも聞いたこともないのじゃが」

レムラス「なかなか珍妙な人だね、この人」

いきなり現れた変人の身の上話を、二人は華麗に受け流した。触れてはいけなかった人のようだ。この場から速やかに立ち去らなければなるまい。
404冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/01/26(木)23:38:06 ID:KPV
そろそろデカい休みが来るし、ガチろうと思う
まだ前編すら終わってないのは流石にヤバい
405名無しさん@おーぷん :2017/01/27(金)02:45:18 ID:YoT
おう、がんばえ
406名無しさん@おーぷん :2017/01/28(土)02:27:50 ID:YHq
投稿するんだよあくしろよ
407名無しさん@おーぷん :2017/01/28(土)14:46:08 ID:EVp
待ってやれよ…
408冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/01/28(土)21:40:45 ID:Fc1
くねくね蛇のようにまとわりつくソルティドッグを振り払い、レムラスは人混みの中を走り出した。剣の研磨を頼んで、その見返りとして変な宗教団体に勧誘されるかもしれない。
その日は井戸が復活したので、多くの村人が表へ繰り出し騒ぎ立てていた。
喧騒に紛れるのは造作もないことである。
しばらく歩いて村の終わりに近づいた頃。
見えない壁にぶつかったかのように、レムラスはいきなり足を止めた。いそいそと家の陰に身を隠す。半分、顔を覗かせる。

レムラス「アグサ……何をやっているんだ?」

集落から少し離れた砂丘、その頂上に一人の娘が立っている。アグサ・シュテルツェだ。
アグサは両手に、黒い指貫グローブをはめている最中だった。息を大きく吸い込み、吐く。
一陣の風、巻き上がる砂塵。
彼女の身体がふわりと羽毛の如く軽やかに浮き上がった。勢いよく羽ばたく背中の翼。
同時に凍てつくような冷気が四方へ解き放たれる。彼女の周囲に広がる砂地は、一瞬で真っ白い氷の絨毯と化した。
螺旋を描いて空中へ急上昇したアグサは、再び翼を激しく動かした。羽根が舞い散る。アグサが指を地上へ向け、発射の合図を下す。
宙を舞う羽根は鋼のように硬く鋭さを増し、地上へと降り注いだ。まるで、何千本もの矢が織りなす集中豪雨だ。たちまち砂丘は、吹き飛んだ柔らかい砂の嵐で包まれた。

レムラス「本気だ、本気で怒ってるよ! 近寄ったら間違いなく殺られる……!」

ウンディーネ「逆じゃ」

レムラス「逆?」

ウンディーネ「殺気が感じられぬ。……あれは焦りと苛つきじゃな。早くお主を助けに行かねばと焦っておるのじゃよ」

レムラス「焦り……アグサが?」

ウンディーネ「うむ、まさかお主が殺されるとは思いもしなかったのじゃろう。それゆえ、あんな風に付け焼き刃の訓練をしとるわけじゃ」

レムラス「僕が殺された!? そんな訳ないだろう! 変なこと言うなよ!」

ウンディーネ「ほれ、とっとと行かんか」

レムラス「待って。その前に……」

両手を口元に当て、聞こえるように叫んだ。

レムラス「アグサ!」

少女の動きがピタリと、錆び付いた機械のように止まった。右に左に首を振り、声の飛んできた方向を躍起になって探している。
しかし結局、分からずじまいで肩を落とす。
レムラスはその姿がおかしくて、クスクス笑わずにいられなかった。強気な女が見せる弱々しい表情ほど、可愛らしいものはない。鞘を通して少女の呆れを含んだ声が聞こえる。

ウンディーネ「性格の悪い男は好かれぬぞ」

レムラス「分かってるよ。ちょっと遊んでみたかっただけだよ」
409冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/01/30(月)23:03:13 ID:JQg
レムラスは地上に舞い降りたアグサの背後へこっそり近寄ると、その両肩を思い切り叩いた。
短い悲鳴を挙げて飛び退くアグサ。
敵ではないことを知らせるため、レムラスは笑顔を作って挨拶した。

レムラス「ただいま!」

アグサ「レムラス!?」

レムラス「遅くなってごめんな。強い魔族と闘っていてさ。もう一人で出歩いたりしないよ」

アグサ「魔族と……!?」

アグサの目は一瞬だけ大きく見開かれたが、すぐに吊り上がってきつい光を帯びた。
固く握り締めた拳がレムラスの頭に飛んでくる。軽い衝撃と共に、鈍い痛みが脳天から顎まで突き抜けた。そこへアグサが一喝。

アグサ「このバカ! あたしがどれだけ心配したと思ってんのよ!」

アグサ「でも……」

ふと、アグサの表情が緩む。
眩しそうに目を細め、口元には微笑すら湛え、普段の乱暴な彼女からは想像もつかないほど柔らかい、麗らかな春の日差しのような顔つき。
さっきまで烈火の如き怒りを見せていた少女がいきなり菩薩となったので、鈍感なレムラスも流石に不審がり、その意を聞いてみる。

レムラス「でも? どうしたの?」

アグサ「ううん、何でもない。あのハゲ皇子には顔見せた? ちゃんと謝りなよ。迷惑かけて、すみませんでしたって」

レムラス「もう会ってきたよ。皇子様は今、タイガーと会談中だけどさ」

アグサ「タイガー? あの虎男も連れてきたの? アンタ、意外とやるじゃない。ほら、ハゲのとこ行くよ。早く来ないと置いてくからね!」

アグサは背中の翼を消すと、穴だらけの砂丘を駆け下っていった。一人取り残されたレムラス。腰に吊るした剣が不満げにぼやく。

ウンディーネ「なんじゃ、つまらんのう」

レムラス「つまらん? 何がだよ」

ウンディーネ「わしとしては、お主とあの女が喧嘩して殺し合うのが面白かったのじゃが」

ウンディーネ「あの女、よほどお主の生還が嬉しかったみたいじゃ。それが青臭い。質の低い恋愛小説を読まされているみたいでの」

レムラス「へー、やっぱり1000年も生きてると他人の人生にケチつけたくなるんだね。大精霊さまってのは」

ウンディーネ「長いこと同じ場所で生きるとな、退屈で死にそうになるんじゃよ。みんな見たことがあるものばっかり」

ウンディーネ「ハラハラドキドキする、スリリングな大戦争でも体験してみたいもんじゃ。あ〜あ、退屈退屈!」
410冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/01/30(月)23:16:31 ID:JQg
魔族と隗の国が同盟を組み、東西に分かれて戦線を敷く。
魔族が大陸中央のサンバドル村を侵略したら、隗軍が合流するまで待機。
連合軍で南のハーゲル国王都・ボルドノープルを一気に押し潰す。
主人公ハルシャの所属するハルシャ組を始め、LunaticやHarmoniaやスルメ倶楽部やバニー・レインボー
これらは全てサンバドル村を拠点として活動するギルドである。
さてさて、みんなどうなってしまうのか〜
トハラ編が終わったら、血みどろの攻防戦が始まります〜
ジャンジャン死にますので、覚悟してください〜
411名無しさん@おーぷん :2017/01/30(月)23:19:15 ID:R61
うんちしたいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
412名無しさん@おーぷん :2017/02/05(日)02:40:59 ID:Ox4
(´・ω・`)
413名無しさん@おーぷん :2017/02/05(日)13:58:12 ID:Y9g
まだ一週間じゃないか(´・ω・`)
414名無しさん@おーぷん :2017/02/05(日)15:11:09 ID:kfb
待とうぜ…(´-ω-`)
415名無しさん@おーぷん :2017/02/10(金)00:47:21 ID:5Zu
(´;ω;`)
416名無しさん@おーぷん :2017/02/10(金)20:43:29 ID:dy6
(´-ω-`)…
417冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/02/11(土)23:47:35 ID:8RS
明日、明後日あたりから再開予定です
極東編のキャラ設定が久々に投稿されていたので、それ頂きます
ありがとうございます
418名無しさん@おーぷん :2017/02/13(月)03:43:50 ID:eh3
待ってるぜ
419冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/02/13(月)22:40:11 ID:dy2
一方、クナラズとタイガーは漆喰の壁に寄りかかり話を進めていた。
タイガーは別に臣従を誓ったわけでなく、ダムドラの討伐協力という条件つきで行動を共にしているのだという。
てっきり将軍の座を受けてくれるのかと期待したが、ぬか喜びに終わってしまったようだ。
ふと、目を細めて踊り騒ぐ村人らを眺めていたタイガーが指をさしてきた。

タイガー「おい……誰かいるぞ」

小悪党のような雰囲気の青年が、揉み手をしながらクナラズの傍に佇んでいる。
目元を縁取る黒い隈、不健康そうな青白い顔、冬でもないのに粉雪の積もった黒髪。
吐く息は腐った牛乳の香りがする。腹の中に魔族やら何やら狩っているのであろうか。
普通の乞食にしては、あまりに怪しい。垂れた前髪の隙間から見える鋭い眼光も侮れぬ。
怪訝な表情でクナラズは口を開いた。

クナラズ「なんだお前は?」

ソルティドッグ「あなたのお友達、といったらどうします? クナラズ殿下……」

クナラズ「お前みたいな友人なぞ知らんが」

ソルティドッグ「まぁ、待ちたまえ。このソルティドッグ、必ずや殿下の役に立ってみせますぜ」

クナラズ「何ができる」

ソルティドッグ「殿下もご存知でしょうが、私は『狂気に満ちた暗黒錬金術師(マッドネスダークアルケミスト)』という異名を持っています」

ソルティドッグ「つまりですね、冥界の竜王より授かりし漆黒の業魔力で刀をにらぐのです。いや刀だけではありません。何でも作れますよ。ケヒッ」

ソルティドッグ「たとえば、そーですなぁ……。殿下、お仲間がたったの三人だけでは心許ないでしょう。私が来たからにはご安心を。ざっと戦士を工面して参ります」

丸まった背を向けて、汚らしい風体の青年は往来へと消えていった。
そして十数分後、クナラズとタイガーの前に屈強な男達を山ほど連れて悠々と凱旋してきたのである。

ソルティドッグ「こいつら、腕っぷしは強いですが戦い方を知りません。どうです、私にごろつき共の調練を任せてはくださいませんかね」

人手不足に悩んでいた皇子は、頷かざるを得なかった。
420名無しさん@おーぷん :2017/02/14(火)02:22:44 ID:oib
どう考えても怪しいのに頷かざるを得ないのか…(困惑)
421冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/02/14(火)22:18:51 ID:OhN
焼けつくような砂の大海、渡るは背に利口な猿を乗せたラクダ数十頭。
前をゆく者がつけた足跡をひたすら辿り、絶滅寸前のモール族を求めて練り歩く。湿気がないので汗はかかない。ただ、吸い込む空気が嫌というほど熱い。
砂も若干混じっており、おちおち深呼吸などできやしない。

レムラス「殿下、僕はあなたの判断を否定しているわけじゃない。けれど、もう少し他に選択肢はなかったのですか?」

クナラズ「ないぞ」

レムラス「はぁ……」

村を出発してから数時間、早くもレムラスは音を上げていた。
彼が不平不満を漏らしているのはもちろん、ソルティドッグについてである。
意味不明な言葉を吐きながらまとわりついてきた変質者を隊列に加えるとは何事か。彼一人だけならまだしも、兵法の何たるやも知らぬ愉快なごろつき達まで雇うなど言語道断。
しかしクナラズ皇子の決断なので、渋々レムラスもソルティドッグを仲間として迎え入れるしかなかった。レムラスはラクダの歩みを緩め、飄々と鼻をほじる浮浪者に並んだ。

レムラス「おい、君!」

ソルティドッグ「吹きすさぶ熱風にまぎれ、シルフの囁きが聞こえる。はて、どうしたものか。私もついに神聴者(ゴッドリスナー)としての資格を……」

レムラス「こっちだよ! おい、どこを見ているんだ!」

ソルティドッグ「フッ、レムラス氏……。そこにいたのだね」

レムラス「君は実に珍妙な男だねぇ! 皇子が君を騎士団長として雇った理由が分からんよ!」

ソルティドッグ「語るまでもない、私が有能だからだ。皇子は人の能力を見抜く目がある。能ある鷹の爪を引っぺがす力がある」

ウンディーネ「お主が有能とはとても思えんがのう。現に連れてきた者はごろつきばかりではないか」

レムラスの帯剣から少女が亀のように首を突き出してきた。
青い髪の先から水がとめどなく滴り落ちている。魔力を吸われたとて、元は水の大精霊。
完全に力を失ったわけではないのだ。

ソルティドッグ「私は有能であるがゆえ、モール族の集落へ着くまでに彼らを超一流の『血に飢えし地獄の番犬(ブラッドケルベロス)』に育て上げてみせるよ」

アグサ「だっさ」
422名無しさん@おーぷん :2017/02/26(日)00:07:39 ID:Zkr
(´・ω・`)まだかな?
423名無しさん@おーぷん :2017/02/26(日)12:00:10 ID:vJT
(´-ω-`)…
424名無しさん@おーぷん :2017/02/26(日)13:02:00 ID:l4N
この作者vipでは小説スレとかでわりとよく見かけるから忙しいわけじゃなさそう
あんまり言いたくないけどぶっちゃけもう半分このスレどうでもいいと思ってんじゃない
じゃなきゃやりかけのこのスレほっといてvipで駄弁ってる意味がわからない
425名無しさん@おーぷん :2017/02/26(日)19:09:18 ID:gYf
ぶっちゃけ自分で作ったキャラならまだしも他人が作ったキャラを大量に使う必要がある時点で難しいからな
作り込まれてるのも多いし
426名無しさん@おーぷん :2017/03/04(土)20:11:12 ID:OaR
(´-ω-`)…
427名無しさん@おーぷん :2017/03/07(火)03:05:48 ID:S7I
キャラ全員登場とか無茶なことしなくていいから完走してほしい(切実)
428冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/07(火)23:11:31 ID:dxb
遅くなりました(>_<)
429冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/07(火)23:11:40 ID:dxb
アグサの言葉を受けてなお、ソルティドッグは口元に歪んだ笑みを浮かべていた。どんなに見苦しかろうが構わない。ここでのし上がらなくては、一生あの粗末な粘土小屋でみすぼらしい生活をせねばならぬ。

ソルティドッグ「せっかく、神が私に与し給うたのだ。無駄にしては、あまりに無礼極まる」

独りごちるソルティドッグのそばに、アグサが氷剣を携えラクダを寄せてきた。

アグサ「そうね、なら天に恵まれた魔力の腕前、とくと拝見させてもらおうかしら」

ソルティドッグ「おっと? ひょっとして『闘る(やる)』おつもり? 暗黒錬金術師として各国で名を馳せた、この私と?」

タイガー「待て」

ラクダの足が一斉に止まった。最前列にいるタイガーが耳をヒクヒクと動かし、微妙な空気の揺れを感知する。

タイガー「空気が小刻みに震えている。おそらく、小隊が簡易的な拠点を築いているのだろう。煙の匂いも若干するな」

クナラズ「ならば早く焚火の場所まで行って、物資の補給なり共有なり……」

だからこそだ、とタイガーは逸るクナラズをじろりと睨みつけた。休憩中の勢力が必ずしも味方であるとは限らない。
真正面から突っ込んでいくなど、下の下策。最悪、全滅もあり得る。

タイガー「みな、ラクダを降りろ。なるべく音を立てるな。先に俺が様子を見に行く。それからアグサ、貴様は俺と共に来い。もしもの場合だが、やってもらいたいことがある」

アグサ「え? どうしてウチまで」

タイガー「貴様にしかできないことだ。いいからついてこい。クナラズ皇子、他の兵を頼む」
430冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/07(火)23:37:36 ID:dxb
アグサ「これって……」

タイガー「やはり、魔族の拠点であったよ。武装解除して呑気に近づいていたら、間違いなく全員殺されていた」

タイガーの予想は的中した。巨大白蟻デビルタームの一隊が、焚火を囲んで飲めや歌えやの宴会に興じていたのである。剣と盾を装備したタームソルジャーが50匹。長い鉄槍を小脇に抱えた、タームバトラーの姿も見受けられる。

タイガー「女王蟻の護衛がわざわざ出向くということは、よほど重要な拠点か任務のようだ」

アグサ「ねぇ、あれ見て!」

松明を持った白蟻が、黒い瞳を磨き切った宝石のように輝かせ、塵の一つも逃さぬと周囲を見渡している。櫓は四つ。監視塔同士を線で結べば、正方形の敷地ができあがる。

タイガー「貴様の魔法で凍らせろ。撃ち殺したり櫓を壊してはならん。あくまで、対象の凍結のみに集中するのだ。可能ならば頭から凍らせてゆけ。叫び声を挙げられては厄介だ」

そのために自分を連れてきたのか。臆病というか、用意周到というか。アグサは半ば呆れながら、手中に空色の光を生成した。溢れているのは、雪の結晶であろう。まともに喰らえば、凍結は免れない。

アグサ「はぁ……注文の多い虎だこと。いいよ、やったげるから離れて」

アグサは掌を一番近い監視兵の頭へ向けた。
魔力の矢が弧を描いて飛び、標的の頭に着弾した。
たちまち冷気のベールに全身を包まれる監視兵。
醜い氷像が完成した。美術展に出品しても、一部の魔族マニアしか目を向けないだろう。

タイガー「よし、次だ。四つの櫓を全て無力化しろ」
431冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/08(水)00:01:34 ID:AwB
1ヶ月近くも空けてたのか
ヤバス
明日からガチる(>_<)
432冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/08(水)23:28:08 ID:AwB
アグサは時計回りに見張り兵を仕留めていった。霧のおかげで、ある程度近づいても愚かな白蟻兵達はアグサの存在に全く気づかない。
以前、トハラのマニ車で戦った時は苦戦させられたが、意外と扱い易い相手なのかもしれない。前髪を掻き上げ、じっと機をうかがう。

レムラス「何をそんなに張り詰めてるの」

いきなり肩を掴まれ、アグサは全身の肌が粟立つのを感じた。レムラス・アクエリア。この男は、もう少しマシな声のかけ方を知らないのだろうか。彼の頭を軽くはたき、静かにするよう叱りつける。すると、レムラスの隣に腰を下ろした者がある。

ソルティドッグ「やれやれ、隠密行動は終いだというに。周りをよく見て発言しようね」

アグサ「あんたら、いつから……」

レムラス「タイガーに呼ばれたんだ。もう来てもいいってさ」

ソルティドッグ「あなたの役目は終わった。大人しく後ろで我らの勇姿を眺めているがいい」

アグサ「ソルティドッグ、それ何よ?」

彼は錫メッキの施された鍋を手にしていた。ソルティドッグだけではない、彼の連れてきたごろつき共まで装備済みだ。荒くれ者の軍隊はパラパラと散らばり、白蟻の拠点を囲い込んだ。だが、万全の状態とは言い難い。何しろ数に差があり過ぎる。倍以上もある敵に、どう立ち向かうのだろう。
しばらくして、ソルティドッグが指を口に当てた。甲高い警笛が空気を切り裂く。

ソルティドッグ「鳴らせ!」

号令が終わらない内に、ガランガランと岩を砕くような音が響き渡った。突然の奇襲に白蟻兵はあたふたと走り回っている。冷静なタームバトラーさえ、迂闊に武器を振るえなかった。
視界の悪さに加え、包囲されているという不利な状況。反響する鍋の音で、大軍の襲撃を受けたのかと錯覚してしまう。

ソルティドッグ「血に飢えし狼達よ、哀れな仔羊を一網打尽にせよ!」

アグサ「いや、あれ蟻だから! 羊じゃないから!」

レムラス「いくよ、ウンディーネ! 援護頼むぜ!」

ウンディーネ「はあ!? わしは無駄な争いなどしたくないわー!」
433名無しさん@おーぷん :2017/03/08(水)23:40:17 ID:GLc
(´-ω-`)ゞ
434冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/09(木)00:14:54 ID:EmK
クナラズ皇子の投げた槍がタームソルジャーの頭部を貫いた。
白蟻の頭は水風船のように弾け飛び、緑色に光る体液を地面にぶちまけた。
クナラズは素早く槍を引き抜くと、背後から剣を振りかざし跳びかかってきた三匹のタームソルジャーを、一気に薙ぎ払った。
首が宙を舞い、新緑の雨が降る。豪傑無双とは、よく言ったものである。

レムラス「やるなぁ、皇子様! ただの温室育ちってわけじゃないんですね」

クナラズ「最初はしくじったが、動きに慣れてしまえばこちらのものよ。レムラス、今が武功の稼ぎ時だぞ。荒くれ共に負けるな」

乱戦状態となった。慌てふためく魔族軍は互いを敵と勘違いし、相打ちを始めた。
ソルティドッグの指示により、ごろつき達は三人一組で強力なタームバトラーを仕留めていった。
勿論、レムラスやアグサも負けてはいない。

ごろつきA「おい、あの女ヤベェぞ。どんなカラクリ使ってるか知らねぇが、手も触れずにでっかい氷の塊を振り回してやがる。あれじゃ、オレらも近寄れねーや……」

ごろつきB「いやいや、あっちの茶髪のガキもヤベェ。濁流に乗って蟻共を蹴散らしてんだぞ。どっから水を引いてんだ……不気味ったらありゃしねぇ」

しかし、クナラズ軍は徐々に押されていった。敵が一向に減る気配を見せないのである。逆に、増えている。
一匹殺すと二、三匹の新たな兵が地中より湧き出る。
そんな非現実的な理論でない限り、この不可思議な現象の説明がつかない。
一人、また一人と私兵は倒れていった。実戦経験の薄い寄せ集めの軍では、やはり無理があったのだ。

クナラズ「クッ……旗色が悪い」

タイガー「おそらく、地中に予備兵を隠していたのだろう。それも、特に強い精兵をだ。地上の軍が壊滅した時に備えてな……」

クナラズ「つまり、一杯食わされたということか」

タイガー「うむ……不覚だった。敵軍にも、頭の切れる奴がいるようだな」
435名無しさん@おーぷん :2017/03/15(水)01:54:17 ID:4Zx
デビルタームって二本足で歩いてるん?
436冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/15(水)07:59:10 ID:jT2
>>435
道具や武器を持っているので、六本ある脚のうち、後ろ四本で歩いているのではないかと
437名無しさん@おーぷん :2017/03/16(木)05:55:55 ID:RtT




こんな感じじゃないのかな?
438冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/16(木)08:37:58 ID:tAc
>>437
そうそう、こんな感じ……
てかもういたんかいw
439名無しさん@おーぷん :2017/03/16(木)08:47:55 ID:RtT
ロマサガ2のシロアリのモンスター
440名無しさん@おーぷん :2017/03/16(木)13:54:22 ID:ZVb
このスレにしか人いないっぽいね
441冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/25(土)22:53:18 ID:F7m
その時。
バババババ、と何かの破裂するような音が連続して聞こえた。同時に、頭上を巨大な影が凄まじい速さで飛び去っていく。
通り過ぎた『それ』は空中で鳥に似た身体を半回転させ、再びこちらへ向かってきた。
翼の下から小さな鉄塊が落ちてくる。興味を示した白蟻達がそれぞれの得物を突き出した瞬間、彼らは跡形もなく吹き飛んでいた。
新種の爆弾である。腹に爆弾を抱えた鳥はその後も、執拗に白蟻達を狙い続けた。
まるで、彼らに親兄弟を殺されその復讐を、煮え滾る憎悪を晴らすかのように。

クナラズ「誰かは知らんが、我々の手助けをしてくれているみたいだな。それッ、体勢を立て直せ! 我らは流れを掴んだぞ!」

クナラズ軍は息を吹き返し、勢いに乗ってデビルタームの拠点を一つ制圧したのだった。
勝鬨を挙げる兵の前に、謎の鳥は静かに舞い降りた。砂埃が巻き上がる。アグサは氷の剣先でレムラスをチョンチョン小突いた。

アグサ「動きを止めたみたいね。レムラス、あんたちょっと見てきなさいよ」

レムラス「だってさ……どうする? 精霊様」

ウンディーネ「面倒じゃな。断る」

レムラス「というわけで、僕らは無理です」

ウンディーネ「うむ」

アグサ「おい!」

アグサは立ち去ろうとするレムラスの右腕を掴んだ。一歩踏み出し、左腕も抱え込む。

アグサ「逃げる気?」

レムラス「ちょ……顔近いって」

二人の距離はキスもできるほど、縮まった。これほど近づけば、羞恥と興奮でどちらかの体温が火を噴くように上がってもおかしくない。
しかし、彼らの間は凍てついていた。
絶対に逃さない。強固な意志が冷気となり、アグサの全身から溢れ出しているからだ。距離が近づけば近づくほど体温が下がるとは、何とも皮肉なものである。

レムラス「分かった……。行くよ! 行くから手を離して! 身体が凍ってしまいそうだ!」
442名無しさん@おーぷん :2017/03/26(日)21:17:14 ID:iZq
更新嬉しいなぁ!!
443冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/26(日)21:42:25 ID:L63
トハラ編が全然終わらなくてすみませんね
色々とキャラを登場させなあかんし
444冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/03/27(月)12:17:43 ID:GTM
用語集追加
数百年前の戦争とか、色々とワケワカメにならんように
445名無しさん@おーぷん :2017/03/30(木)06:06:09 ID:2mS
(´-ω-`)ゞ
446冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/01(土)21:45:58 ID:Gyn
腰の鞘から剣ば抜くと、レムラスは警戒しながら近づいていったとよ。それはましゃしく、鳥と呼ぶに相応しか姿やったとよ。
鈍く光る流線型のフォルム。左っかわ右っかわについとる台形の鉄板は翼の役割ば果たすのやろうか。
頭部は水晶のごとく透き通っており、そん中に人形っちゃんうな物体が座っとるとよ。
小しゃな石ば拾い、投げつけてみるとよ。石と鋼がぶつかる乾いた音が響いたものの、反応はなか。
眠っとるのやろうか? それとも先ほどの攻撃で力ば使い果たしてしもうたとやろうか?
いずれにしぇよ、レムラスの考えとることは一つやったとよ。

ウンディーネ「こぎゃんに大きな物体、見たことも聞いたこともなかのう……」

レムラス「それ、僕も思ったたい。援護ばしてくれたからには味方ばいと信じたいけど、素性も分からなかし……」

ウンディーネ「人間共が使役しとる『キカイ』やろ。ばってんくしゃキカイは人の手が無ければ動かん。どっかに人間が潜んでいるはずや」

レムラス「ウンディーネ、頼む。頭の辺りに人影が見えたんばい」

ウンディーネ「お主も物好いとぉやな」

レムラスの足元から大量の水が溢れ出し、彼ば翼の上へ吹き飛ばしたとよ。
力の加減ば誤れば大惨事となる技、ジャンプでは届かいなかけん仕方なか。
滑らなかよう腰ばかがめて慎重に外板ばしゃるき、そろそろと覗き込む。
まるで、水飲み場へ来よる鹿が水中に天敵が潜んでいなかか確かめるごと。
そこにいたとは怪物ではなく、全身ば深緑色の服で包んばい奇人やったとよ。
特に頭は頑丈な丸い兜っちゃんうなもけんすっぽり覆ってあり、表情はおろか年齢や性別も分からなか。

レムラス「なんばいこいつ……ほんまに人間ばいか?」
447冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/01(土)21:46:27 ID:Gyn
博多弁バージョンばいとッ……!?
448冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/01(土)23:12:11 ID:Gyn
レムラスが恐る恐るガラスの窓ばつついた時、微かいな振動と共に窓が上へと持ち上がったとよ。
手も触れんでん、いきなり宝箱が開いたたいうな衝撃ばレムラスは受けたとよ。
たじろぐ彼ばキカイの中に居座る怪人はじっと見つめとったが、無言で右っかわ手ば差し伸べてきたとよ。
これは握手? いや、握手に見しぇかけた罠? 手ば掴んばい瞬間、引きずり込まれてどっかへ拉致しゃれてしまうかもしれなか。
ああ、傍らにアグサがいればどれほど心強かったろうとよ。レムラスは剣の柄ば握りしめたとよ。応えるごと、刀身が淡く光るとよ。

レムラス「クッ……」

ウンディーネ。
元が水の大精霊とはいえ、魔力のしゃばか幼女体では不安が残るとよ。
すると、展開は相手の方からやってきたとよ。
謎の怪人が今にも消え入りそうな声で呻いたけんあるとよ。

???「そこんお方。お手数やけど、うちば引き上げて貰えましぇんか。いえね、ドラゴンとの戦いで少々被弾しまして」

若い男の声やけん。

レムラス「ドラゴン?」

???「はい。うち、ドラゴンば狩って生活費ば稼いでいる者なけんすよ。普段なら容易く撃ち落としぇるけんすが、今日は相手が悪かった」

レムラス「相手?」

???「ええ。トハラで狩猟難易度が最高の星7に指定しゃれとる、魔竜デズモンドとよ。魔界から這い出すところば見つけたけん戦いば挑みたとたいが、自慢の精神攻撃でこん有様ばい」

男は兜ば脱いでみしぇたとよ。
短く切った黒髪と、笑った時に目尻に寄る三本の皺が特徴的な男やったとよ。
目、鼻、耳、口。顔のいたる場所に、血の流れた跡が残っとるとよ。
どうやら、怪人ではなしゃそうやけん。男の左っかわ腕ば肩に回しながら、レムラスは微笑んで聞いたとよ。

レムラス「クナラズ皇子のもとへあんたば連れて行きましょーたいとよ。竜の狩人、尊名ば教えてくれんね」

川上「川上太一。航空総隊直轄部隊、警戒航空隊司令……分かるけんか? 一等空佐は? いかがばい?」

レムラス「いや……失礼ながら。僕は無知なもけん」

川上「まぁ、偉い人ばいと思ってもらえればよかばい。あんイカした戦闘機ば操れる程度にはね」
449冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/01(土)23:18:20 ID:Gyn
標準語verはまとめる時に載しぇます
450名無しさん@おーぷん :2017/04/04(火)02:10:20 ID:BEl
燃料とか弾薬とかどうしてるのかね…?
451名無しさん@おーぷん :2017/04/04(火)02:13:24 ID:uCZ
博多弁で草生えた
452冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/06(木)01:13:17 ID:tES
今さらwikiの話なんだけど
オマサガに倣って登場人物欄に、登場済みニッコリ・死者アワアワ
というように絵文字で区別してみた
453名無しさん@おーぷん :2017/04/06(木)01:43:45 ID:HU4
アワアワ顔ワラタ
色がついてると見た目でもっとわかりやすいかもね
454名無しさん@おーぷん :2017/04/07(金)21:02:41 ID:pqH
滑走路の無いところに着陸するって、VTOL機かな?
455冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/10(月)23:04:24 ID:yWE
キャンプ場はデビルタームの体液で深緑色に染まっていた。
まるで、繁殖力の強い苔がここら一帯を埋め尽くしたようだった。
ソルティドッグはごろつき達を連れて櫓の上に避難しており、クナラズとタイガー、そしてアグサのみがその場に残っていた。
怪我人である川上を、綺麗な丸太に横たえる。彼は低く呻きながら右手の甲を額に乗せた。

レムラス「皇子、この方……川上さんがキカイで白蟻を撃ち殺していた勇者です」

クナラズ「奇怪な服を着ているが……異国の者か? 肌や目の色も我々と少し違う」

アグサ「おそらく、極東の人間ね。トハラ学院の極東概論Ⅱで、嫌というほど目にしてきた顔だから」

極東概論Ⅱ。トハラ学院魔法剣士科で最も退屈な講義だった。
掠れて何を話しているかよく分からない老教授の声。
後ろの席で勝手に麻痺系だの即死系だの危険な魔法を連発する不良達。
極東と言われても、あまりに遠すぎて現実味が湧かない。まるで絵本の中の世界だ。

アグサ「言葉は通じるの?」

レムラス「訛ってはいたけど、ちゃんとハゲ語を喋っていたよ。世界共通語だし、勉強済みだったんだろう」

川上「ああ……みなさん、どうも助けてくださりありがとうございます」

川上は身を起こすと、辺りを見渡して小さく会釈した。
ふらふらとよろめきながら、水の張った桶に近づいてゆく。
胸ポケットから白いハンカチを取り出し、水に浸す。顔についた血の汚れを落とすためだろう。
一通り彼の行動が終わったところで、クナラズが切り出した。

クナラズ「お前は一体誰だ? 先の爆撃も、お前がやったものなのか?」

川上「27世紀の日本」

クナラズ「ぬ?」

川上「そこから飛んできた航空自衛隊と言えば……信じて頂けますか?」
456冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/10(月)23:25:52 ID:yWE
クナラズは日本も航空自衛隊も知らなかった。
他の面々に目を向けても、みな首をかしげるばかり。
場の空気を察した川上は、手を振りながらからからと笑った。

川上「すみませんすみません、ただの冗談ですよ。私は極東から来ました、ドラゴン狩りの川上太一と申します」

クナラズ「ドラゴン狩り?」

タイガー「あの巨大なキカイに乗って、ドラゴンを撃墜するのだろう。そうやって生計を立てる者がいると聞いた」

魔竜デズモンドを追ってきたのだが、途中で白蟻の群れを見かけたのですぐさま助太刀に入った。
そう、川上はクナラズ達に話した。だが、レムラスは一人疑念を抱いていた。
彼が乗っていたキカイ。確かにレムラスもトハラでキカイを見たことはあるが、どれも樫と歯車を組み合わせて作ったお粗末なものだ。
デビルタームを一瞬で吹き飛ばす威力の火薬を抱え悠々と飛行する鋼鉄のキカイなど、ウンディーネの言葉通り見たことも聞いたこともない。
それとも、極東はトハラよりも文明が遥かに進んでいるのであろうか。
時代遅れは自分だけなのではないのだろうか。
考え込むレムラスを横目に、川上はポンッと手を打った。

川上「そうだ、あの人も助けないと」

レムラス「あの人?」

川上「はい。知人に腕のいい鍛冶屋がいるんです。名前はゲロマンk……おっと失礼、ゲロマンさんです」

レムラス「どうして口ごもったんだい? 素直にゲロマンコって言えばいいじゃない」

川上は肩をすくめて溜息をついた。

川上「本名で呼ぶと、二度と口をきいてもらえませんので。私は日頃から、必ずゲロマンあるいはコーさんと呼ぶよう心掛けているのです」
457冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/10(月)23:44:39 ID:yWE
アグサ「ゲロマンだけでも十分ひどいと思うんだけど。本当にそんなへんちくりんな名前の人がいるの?」

クナラズ「俄かには信じがたいな」

川上「ええ、いますとも。実は、もう私の戦闘機の後部座席に乗せてきたのです。彼は燃料となるケロシンを常備していますので」

川上が指差した先、戦闘機の後部座席にプルプルと怒りに震えこちらを凝視する髭面の男がいた。

レムラス「ヴェッ!」

アグサ「あーあ、やっちゃった。もう二度と口をきいてもらえないね、アンタ」

川上「いや、貴女も人のこと言えませんからね」

大柄な男は戦闘機の翼から飛び降りると、ズシンズシンと地面を踏み鳴らしながら歩いてきた。
両腕の筋肉は異常なほど隆起し、血管の筋がはっきり浮き出ている。
長い白髪を後ろに結わえ、口周りからもしゃもしゃ伸びた白い髭は、厚い胸板の上で綺麗に切り揃えられていた。
もはや将軍と称しても通用する。なぜ恵まれた肉体を持ちながら、鍛冶屋をやっているのか不思議でならない。
クナラズ達の心を見抜いたかのごとく、大柄な男は鼻を鳴らした。

ゲロマン「剣や鎧を鍛えるからこそ、己も鍛えねばならんのだ。それの何が悪い」

その後、彼は腕を組み雷のような声で一喝した。

ゲロマン「わしがゲロマンであるッ! 鍛冶屋じゃ!」

レムラス「な、なぁ……ゲロマンさん。本名で呼んだことは謝るよ。だからここは穏便に……」

ゲロマン「あ”あ”ッ!? なんだか、濡れネズミがキィキィ鳴いとるのう! どこかのう!」

レムラス「ひぃ!」
458冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/11(火)22:42:45 ID:gSZ
川上「性格は粗野ですが、彼の作る武器は一級品です。紙の如く鉄を斬り裂き、角砂糖のごとく岩を砕きます」

クナラズ「そこまで高品質の武具を作りながら、こう言っては失礼だが、なぜトハラでまったく有名ではないんだ?」

ゲロマン「わしは、真の武人の武器しか作らん。遊び半分で剣を持つ愚者にやる装備はない」

若い頃、ゲロマンは刀をにらぐことに命を懸けていた。
寝る間を惜しみ、目が真っ赤に染まっても手の皮が剥け血が滲んでも、彼は金槌を振るう手を止めなかった。
自分の武器がいつか、心技体の揃った豪傑と共に数多の戦場を駆け巡ると信じていたからだ。
しかし、注文してくるのは物好きな貴族や性根の腐った人斬りばかり。
年を経るにつれて燃え盛る炎のような赤い髪は白くなり、彼の情熱も冷めていった。
もう、他人のために仕事をするのはやめよう。
真の武人が目の前に現れるまで、金槌は封印しよう。
こうしてゲロマンは、武器を鍛えぬ鍛冶師となったのだ。

クナラズ「川上殿、ゲロマン殿。自己紹介が遅れましたな。私は第42代マハーラージャ・レイギャン王の末子、クナラズ・D・ハーゲル」

クナラズ「どんな事情があれ、お二人は素晴らしい人だ。もし我が軍に身を置いてもらえるなら、越したことはないのだが」

跪くクナラズを前に、川上とゲロマンは顔を見合わせた。
なんとも不思議な皇子である。どこの馬の骨とも知れぬ無頼漢を引き連れ、人材を得るためなら平民にさえ頭を下げるとは。
もう少し身分を弁えた行動をしてほしいと、逆に心配になるくらいだ。
川上は煙草の先を火につけると、煙を吐いて静かに答えた。

川上「協力したいのは山々ですが、二つ返事で激戦地へ参るわけにはゆきません」

川上の話によれば、戦闘機の燃料が残りわずかということらしい。
ジェット燃料ならゲロマンが持っているものの、ここでクナラズ達についてゆくと帰りの燃料が足りなくなる。
拠点のトハラまでギリギリ帰れる程度しか残っていないのだ。

川上「一度トハラに戻って十分な燃料を補給してから、戦闘に参加させていただきます」

ゲロマン「そういうことだ。これ以上の勧誘は無意味だぞ」

ゲロマンは川上のそばに腰を下ろすと、ポケットから乾燥肉を取り出し齧った。

クナラズ「承知した。また日を改めて、お二人の意思を伺うとしよう」

クナラズと川上は固い握手をし、再会を誓い合って別れたのだった。
459冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/11(火)22:44:51 ID:gSZ
マハーラージャの代が曖昧
キラメロが43代だった希ガス
460冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/11(火)23:01:41 ID:gSZ
レムラス「雨脚が強くなってきたな……。皇子様、どこか雨宿りできる場所を探しましょう」

クナラズ「ここから少し進んだ山に、モール族の集落があると聞いた。今夜はそこで泊まろう」

レムラス「へぇ〜、皇子様って見かけによらず準備がいいんですねぇ」

クナラズ「レムラス、口に気をつけろ」

山肌を削り取り作った狭い風穴の中に、彼らは身を寄せ合って暮らしていた。単なる風穴なので住居や集落と呼べる有様では到底なく、汚れた骨の残骸に埋まって眠る老人や、飢えをしのぐため雑草をちぎって食べる赤子など、見るに堪えない光景がそこにはあった。
ふと、先頭をゆくラクダの足が止まった。
アグサが手綱を引き、足を止めたのである。

タイガー「どうした、先頭が止まっては後列に響く。早くラクダを発進させろ」

アグサ「ウチ、モール族の集落には行かない。別の場所で休むよ」

神妙な面持ちで答えたアグサに、タイガーはやれやれと肩を竦めながら溜息をついた。

タイガー「そこまで貧しい場所に泊まるのが嫌か。鳥人族の娘。ま、トハラの飯は美味なゆえ舌が肥えるのも無理はないが」

アグサ「そうじゃなくて! 1日の食事にも困っていそうな集落なのに、20〜30人いるウチらが押しかけたら、迷惑じゃないのって思っただけ。それに、ソルティドッグが無頼漢を抑え込めるかも心配だわ」

ソルティドッグ「ややッ失敬な! 彼らは金さえ払えば私に従順です。そして私はいつか無頼漢を束ねることを夢見て、財産を貯蓄してきました。当分の間なら、彼らは暴れませんよ」

ソルティドッグが唾を飛ばして喚く間にも、アグサはラクダを降りて服についた砂をはたいていた。どうやら、決意は固いらしい。
タイガーは軽く舌打ちをして、忌々しげにアグサを睨みつけた。

タイガー「これは完全に軍の規律を乱す行為だ。一人の身勝手な行動で、全員が作戦失敗の憂き目を見ることもある」

タイガー「数百年前、聖剣クチュルクと魔族長テングリカガンとの間で全世界を巻き込む戦争があったことは、歴史の授業で学んでいるだろう。あの戦争でも、一人の兵士が用便で抜けていたばかりに、聖剣クチュルクを護送する作戦が失敗に終わったのだ」

タイガー「今は軍が小規模だから許すが、肝に銘じておけ。将来、貴様が将軍となった時に生き恥をかかぬようにな」

アグサ「分かった。じゃ、ウチそろそろ行くね」

クナラズやレムラスの制止も聞かず、アグサは翼を広げて霧雨の中を飛んでいった。
アグサを止められなかった。
タイガーは自分の将軍としての力量不足に苛立っていた。
461冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/11(火)23:09:51 ID:gSZ
陽が落ちた。辺りは宵闇に包まれた。
入口まで来ると、タイガーはラクダから降りる旨をクナラズ以下数十名に伝えた。そしてクナラズ皇子を先頭に据え、自分は最後尾に並んだ。クナラズの親征であると強調するためだ。
慎重に、警戒を払いながら中へ踏み込む。モール族も、勝手に縄張りに入ってこられて不快な思いをしているかもしれない。
いつ、どこから矢が飛んで来ても対応できるように身構える必要がある。
足元で骨の砕ける小さな音がした。栗鼠か兎か、はたまた羊の骨片か。
夜目が利かぬ以上、手探りで進むしかない。

クナラズ「いきなり訪問してすまない。決して怪しい者ではないのだ。私はハーゲル王国第42代マハーラージャ・レイギャン王の末子であるクナラズ・D・ハーゲル。諸君らを地下世界から追放した、巨大白蟻デビルタームの討伐に参った。可能ならば、話を聞かせて頂きたい」

暫くして、洞窟の壁にかけられたランプが一斉に、ぼんやりと輝き始めた。蝋燭に火を灯す程度だが、立派な火炎魔法だ。

タイガー「……フン」

しんがりを務めるタイガーは、何も言わず背中に提げた両刀を構えた。レムラスも刀身から水を滴らせ、鋭い切っ先を前へ向ける。
ごろつき達がクナラズを守るように、得物を手にして円陣形態へと移る。
クナラズ軍は包囲されていたのだ。
それも、白蟻に住処を奪われ弱り切ったはずのモール族によって。

レムラス「ソルティドッグ、これってどういう状況だい? なぜ僕らはモール族から刃を向けられなきゃならないんだ?」

ソルティドッグ「そうですなぁ……。とりあえず『ヤバい』とだけ述べておきましょう。今はとにかく、生き残ることだけを考えなさい」

激しくぶつかり合う殺気。既に戦いは始まったも同然であった。
胴長の身体を覆い尽くす、茶色の滑らかな体毛。
モール族の体毛は絨毯として使われるほど、毛の質感が良い。
しかし、今は殺気に満ち満ちて針のごとく鋭く尖っている。
互いの感情が爆発しそうになったその時。

モール族の長「おや、これはこれは。デビルタームかと思いましたら、クナラズ殿下ではございませんか」

奥の方から背の曲がったモール族の老個体が現れ、周りの兵に武器を下ろすよう伝えた。

モール族の長「何だって、草木も満足に生えぬ不毛の地へお越しになったのですか」

クナラズ「詳しい話は後にしよう。まず、この殺気立った兵を下げてほしい。それから十分な寝床と食糧、水を貰おうか。ラクダの面倒も見てやってくれ。雨晒しはあまりに可哀想だ」

無遠慮な物言いにレムラスはギョッとしたが、族長や兵士の身体つきを見て疑問は解消された。みな、丸々と太っていたのだ。

モール族の長「デビルタームが定期的に訪れるのです。我々モール族が力を蓄えていないか。豊かな暮らしをしていないか。それを欺くために、絶食のプロを入口に配置しとるわけですな。彼らも立派な兵隊なのですよ」

モール族の長「ささ、殿下。雨に打たれてさぞお身体も冷えておりましょう。温かい木の実スープを飲み、ゆっくりお休みくだされ」

クナラズ「うむ、そうしよう」
462名無しさん@おーぷん :2017/04/15(土)17:54:58 ID:bRh
更新ウレシイ…ウレシイ…
463冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/15(土)18:30:09 ID:pqk
>>462
トハラ編をさっさと終わらせて早く日常編に持ち込みます
そんでもって戦争
464冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/15(土)19:09:37 ID:pqk
族長はポガロと名乗った。海を隔てた極東と狂戦士族の島以外、全ての国に行ったことがあり、モール族独自の情報網を築き上げてきたという。
デビルタームの不穏な動きは以前から察知していたが、背後に潜む魔族長の影までは認識することができなかった。
ポガロは太い眉で隠れた目から大粒の悔し涙をこぼし、嗄れた声でそう語った。
ステテコパンツのゴムをいじくりながら、虎男が風穴の奥へいざなうポガロに質問する。

タイガー「ふむふむ……。つまり、デビルターム単独の力でなく魔族長の助力もあったと」

ポガロ「はい。魔族長の派遣した軍隊が強いのなんの。全身が金属でできていて、我々の爪や武器がまるで通用しないのです」

タイガー「それはメタルソルジャーという魔族だ。バイバルスのメンバーが時々狩っていたから分かる。連中に物理攻撃は効かんぞ」

ポガロ「で、ではどうすれば……」

タイガー「少し考えれば、いかようにも料理できる。炎で燃やすも氷で凍らせるも、誘導して崖に落としたり岩で潰すのもありだ」

『彼ら』も同じ戦法を取っていた。
それはタイガーが初めてトハラへ来た時の記憶。
疲れ果て動けなかった彼をかばい、圧倒的な魔法と知略でメタルソルジャーの堅牢な鎧を打ち砕いた戦士達。
何もかも失い絶望の淵に立たされていた自分に、手を差し伸べてくれた雌狼の獣人。
あの日から、新人として働き始めたあの日から、全ては始まっていたのだ。
自分がダムドラと再び戦うことは、運命づけられていたのだ。

クナラズ「どうした、足を止めて」

タイガー「ん? ああ、すまない。昔のことを思い出しただけだ」
465冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/21(金)09:32:39 ID:c1s
ダムドラという名を思い浮かべるたび、過去の記憶がじんわりとぼやけた輪郭ながらも滲んでくる。バイバルスと出会ったこと。命からがら大陸へ流れついたこと。そして、ダムドラに囚われている少女と過ごした日々のこと。
タイガーは全容を知りながらも、その記憶を心の奥底へしまい込んでいた。他人に話したところで、傷が癒えるわけでない。そもそも、自分は孤高の剣士を貫こうと決めたではないか。
しかし。

タイガー「クナラズ、アグサを呼んでこい」

クナラズ「ウム」

これからデビルタームと干戈を交えるにあたり、きっとダムドラとも出会うだろう。その時、自分は命を賭して少女ーー名をミズハというーーを救うに違いない。
ひとつ、話しておかなければ。自分が死んだ後、ミズハを頼める者がいるかどうか、確かめておかなければ。それゆえ、タイガーは皆を集めて、過去の記憶を語ることにしたのである。

レムラス「皇子様が赴くまでもありません。僕がササッと連れ戻してきます」

クナラズ「ああ……すまないな」

ごつごつとした壁によりかかりながら、タイガーは外へ駆けてゆくレムラスを眺めていた。まるで、かつての自分を重ねているように。
466冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/21(金)09:35:35 ID:c1s
ながら多過ぎた
死ぬ(~_~;)
467冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/22(土)01:18:55 ID:yH8
俺は投稿の鬼になる
いちはやくVIPに戻ってやる
468冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/24(月)23:06:03 ID:1cv
アグサは洞窟から少し離れた小高い丘の上で、一人膝を抱えて座っていた。
全員の前で啖呵を切った以上、今晩だけは死んでも合流する気はなかった。
しかし、身体は正直だ。無駄な強がりなど言っていられない。寒い。
ただでさえ気温が零度近くまで下がる大陸西部で、雨が土砂降りの中、半袖で野宿など自殺行為に等しい。
旅の疲れが溜まって錯乱状態にあるのではないか。そう噂されても返す言葉が見当たらぬ。
雨で濡れた小さな石が薄い服越しに尻に食い込み、アグサは舌打ちをしながら座る位置を変えた。

アグサ「何してるんだろ、ウチ」

アグサは顔を上げた。
とある考えが頭の中に浮かんだのだ。
辺りを見渡す。あるのは緑のない大地と白い靄だけ。好機。
誰もいない今なら、こっそりトハラに帰ることができるかもしれない。
立ち上がりかけたその時。

「なんだ、意外と近くにいたじゃん」

ふと、降り注ぐ雨が途絶えた。
真上を振り仰げば、骨子に獣の皮を張り付けただけの丸い傘が一つ。
そして自分の傍に茶髪の少年剣士が佇んでいるのだった。
アグサは再び舌打ちをして、ぼやくように呟いた。

アグサ「レムラス……どうして……」

レムラス「雨に打たれてたら風邪を引くと思ってさ」

アグサ「……別に来なくていいのに」

二人の間に沈黙が降りる。

レムラス「君はもっと、しっかりした人だと思ってたけどなぁ」

彼の何気ない一言が、胸の奥に突き刺さる。
悔しい。自分の判断が間違っていたような言い草だ。
アグサの気持ちを知ってか知らずか、レムラスの口調は普段よりも優しかった。

レムラス「ごめんよ、悲しませるつもりはなかった。さあ、洞窟へ戻ろう。君が心配していることは何もない」

レムラス「それとも、ここで一夜を明かすかい? だったら、僕も付き合うよ」

君の背中を守るのは僕だからね。レムラスはさも得意げに胸を張って剣を引き抜いた。
刀身がわずかに青く点滅している。水の大精霊とやらが抗議しているのだろうか。アグサに知る術はない。
469名無しさん@おーぷん :2017/04/27(木)03:13:07 ID:r8g
コイニハッテンシテ…
470ねこ :2017/04/27(木)05:49:40 ID:nZm
すげえ
折れずにまだ続いている
相変わらず文章うまい
471冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/27(木)10:17:55 ID:LC4
>>469
一級フラグ建築士
だが惚れた女には一途
それがレムラスだと思ふ

>>470
本当に一人だったらとっくに折れてるね
隣に同じようなスレがあるから、あっちよりも早く終わらせてやるって対抗心が生まれる
472名無しさん@おーぷん :2017/04/27(木)11:12:34 ID:fpf
もはやハルシャが空気な件
473冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/27(木)12:16:02 ID:LC4
>>472
トハラ編だからどうしても空気になる
474名無しさん@おーぷん :2017/04/29(土)13:40:09 ID:6cR
アグサはわしが育てた

(主要キャラになっててうれしい)
475名無しさん@おーぷん :2017/04/29(土)13:48:29 ID:6cR
最近板荒れてるけど此方に飛び火しないのを祈るばかりだ…
476冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/04/29(土)18:04:52 ID:RYt
>>474
愚痴をこぼしながらも、なんだかんだ変態の集団についていく
各々が暴走しないよう馭者の役目を果たすのがアグサ
とは言っても、今みたいに馭者が手綱を放って何処に走り出すケースもあるけど

>>475
飛び火はしないっしょ
別にそこまで喧嘩売ってないし
埋められても立てりゃいいの精神でやっとるから
477名無しさん@おーぷん :2017/05/06(土)02:44:49 ID:CZS
(´・ω・`)
478冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/06(土)21:12:08 ID:0px
アグサ「ねぇ、レムラス」

彼女は膝の間に顔をうずめて、傍らに立つ少年の名を呼んだ。その声は酷く嗄れていた。
まるで、悪魔が身体の中に入り込んで、勝手にアグサの本音を引きずり出しているような。
ポツンと口から飛び出した言葉。恐らく疲れによる愚痴なのだろうが、泣きごとや不満と言うにはあまりに重過ぎた。

アグサ「トハラに帰りたい」

やはり父母のことが気にかかる。トハラ学院の単位も取らねばならぬし、庭にある葡萄の世話もしなくては。場の空気に呑まれて旅立ちを決意したものの、冷静になれば愚かも愚か。
自分には平和な日常が向いている。先の分からない冒険など、もう沢山だ。

アグサ「安定した生活が欲しいの。アンタには分からないでしょうけど」

レムラス「……じゃあ聞くがね、その安定がずっと、それこそ君がヨボヨボの婆さんになるまで続くと思う? 僕は思わないな」

アグサ「どういうこと?」

レムラス「君もトハラのマニ車で戦っただろう? デビルタームの脅威はすぐそこまで来ている。張りぼての平和に酔う時間なんてない」

アグサ「アンタ……」

レムラス「前へ進むんだ。どんな苦難があっても、たとえ誰かを失ったとしても、最後まで走り続けるんだ。そして、きっと二人で仮初の日常を確かなものへと変えよう」

アグサ「アンタ……そんなキャラだっけ? 張りぼてガーとか仮初ガーとか。でも、ありがとう。ちょっとだけ元気が出た」

レムラス「そいつぁ良かったよ。まさに、一石二鳥ってやつだね」

アグサ「一石二鳥?」

レムラス「いや、少しね。アグサにも繊細な一面があるんだなぁと。いつも怒鳴ってばかりのがさつな女だからさ」

アグサ「なッ……! がさつ!?」

レムラス「こういうの見せられると困っちゃうよね。調子が狂うというか。まぁ、どっちも可愛いから強くは言えないんだけど」

アグサ「ねぇ、こっち向きなさいよ」

レムラス「ん? どうしたの? 野蛮な……」

直後、レムラスが氷の彫像にされたのは語るまでもない。
479冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)00:20:36 ID:JvB
一方、モール族の洞窟では。
魔獣の骨を削って作った丸い食卓を、クナラズ・タイガー・ポガロ・ソルティドッグの四名が囲んでいた。
ハーゲル王国の存在を知るポガロにとって、クナラズはまさに国賓。最上級のもてなしをせねばならぬ。
そういうわけで、四人の前には世界各地から取り寄せた山海の珍味が並べられている。
ソルティドッグは蒸したボンバーソーセージを齧りながら、低い天井を仰いでさぞ悲しそうに嘆いた。

ソルティドッグ「まったく、いつまで待たせる気だろう。神の声を聴く礼拝時刻(ワースィップ・タイム)が迫っているというのに」

クナラズ「黙って待て。探すのに手こずっているか、あるいは敵と交戦中なのかもしれん」

タイガー「ふむふむ、この雨なら進軍の物音も消すこともできよう。だが、『聡明な』女王がわざわざこんな収穫もなさそうな廃墟に足を運ぶと思うかね」

ソルティドッグ「Don't worry……心配御無用と。タイガー殿は戦の経験を多く積んでいらっしゃるようだ。もしや、ハーゲル王国の将軍?」

タイガー「それをこれから話すのだ。ヘラヘラと笑うな」

ソルティドッグ「ところでポガロ殿、その皿に盛ってあるべチョッとした……ネチョッとした……」

ポガロ「鯖缶ですね。脳味噌をくり抜いてそのまま乗せました。鮮度がある内にお食べください」

クナラズ「缶に脳味噌なんぞあるのか……やはり世界は広い」

暫くして、耳まで林檎のごとく赤らめたアグサが不機嫌な様子で入ってきた。レムラスの姿は見えない。
何があったか見当はつく。あのお調子者が、またアグサのことをからかったのだろう。
まだアグサもレムラスも戦士として、王に仕える者としての自覚が足りない。
クナラズは内心、残念そうに溜息をついた。

タイガー「レムラスはどうした」

アグサ「あんな奴、知らないッ」

タイガー「どうしたと聞いている」

アグサの熱も、虎男の無機質な瞳を見ると瞬時に冷めたようだった。
そっぽを向き、口を尖らせ、消え入りそうな声でボソボソ呟く。

アグサ「外で雨に打たれてるわよ。だって、あんまり失礼なことを言うんだもの……」

タイガー「持ってこい。一応、奴にも聞かせておきたい」

アグサ「聞かせるって、何を?」

タイガー「俺が理性を保つことのできる、唯一の狂戦士。ダムドラを狙う理由。ここまで来たからには、共に戦う貴様らにも伝えねばと思ってな」
480冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)00:21:51 ID:JvB
タイガーはLunaticのイーフィと同族だったわけですねー
481冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)00:38:31 ID:JvB
物語の流れ

【サンバドル編】
①ハルシャ(主人公)が魔族長に負けてサンバドル村に来る。
②スルメ倶楽部のハゲスルメマンとクラリスがLunaticの闇騎士を倒す。闇騎士、外法により竜化。
③ハルシャが教会にて、ジークとルーミアを倒し、仲間にする。ハルシャ組結成
④スルメ倶楽部が新種の魔族・ディグノーを討つ。クラリスを治療するため教会へ飛ぶ。
⑤ハインリヒ神父とミラが登場。神父は絶大な魔力でクラリスを治癒する。
⑥サンバドル村2位のHarmoniaリーダー・メリーシャが村1位ギルド・Lunaticの館へ招かれる。
⑦魔族長テングリカガン、バルド、ラグードと交戦。撃退。
⑧闘技場編。HarmoniaVSバニー・レインボー
⑨魔竜デズモンド乱入。ハルシャがおかしくなる。しかし、ニュウ・クースーにより精神攻撃から解放される
482冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)00:45:58 ID:JvB
【トハラ編】
①クナラズ・D・ハーゲルが国王からデビルターム掃討を命じられる。
②トハラ学院の生徒レムラスとアグサが、マニ車でクナラズと会う。デビルタームに襲撃されるも、タイガーの助力で討伐完了
③王宮では、Lunaticの長・武琉により長男ケトーメロ・D・ハーゲルが死亡。次男キラメロが即位。
④レムラスがタイガーは許されざる裏切り者であるとの文献をトハラ学院の図書室で発見。
⑤タイガーがミリカの木賃宿で占い師ゲイリーと出会う。
⑥レムラスがタイガーと共に精霊の湖でウンディーネと交戦。ダムドラと会う。
⑦クナラズ一行がモール族の洞窟に泊まる
483冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)00:46:42 ID:JvB
大まかに言うとこんな感じ
流れが訳わからん人用
484冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)15:32:00 ID:JvB
数百年も昔、まだギルドの概念がなかった頃。狂戦士族の島では、部族全体を揺るがす大事件が起こっていた。ムール王子の脱走である。
鬱蒼と茂る夜の森を駈けてゆく、二つの影。日に焼けた黒い長髪の男と、降り積もった新雪のような白い肌を持つ少女。

ムール「ミズハ、疲れてないか!?」

ミズハ「私は大丈夫です。でも、こんなことをしたら王子様の立場が……」

ムール「お前と添い遂げるためなら、掟なんかどうだっていい」

ミズハ「そんな……」

狂戦士族は純粋な戦闘民族だ。
強靭な肉体の秘訣が、遺伝子にあることを知っている。
蜘蛛の糸を束ねて鋼の如く頑丈にするように、彼らは近親相姦を繰り返し最強の武人を生み出して来たのだ。
それ故、異邦人との婚姻は許されない。村で唯一の掟であり、破った者には凄惨な死が与えられる。
たとえ、王族であろうとも。

ミズハ「狂戦士の島など、興味本位でも来なければよかった。来なければ、こんな苦しい思いをせず済んだのに……」

ミズハは、極東から来た行商人の娘だった。最初の挨拶でムール王子と対面した時、二人は一目見て互いに恋に落ちたのだ。急接近するムールとミズハを、周囲が快く感じるはずもなく。ついに『駆け落ち』という形で、ムールが嫌がるミズハを無理やり連れ出したのである。

ムール「もう少しだ、ミズハ。もう少しで浜辺に着く。粗末だが、丸太を削り作った舟があるんだ。それに乗って、大陸まで行こう」

ミズハ「すみません、お父様。私には王子様を止めることができません。不孝な娘を、どうか許してください」
485名無しさん@おーぷん :2017/05/08(月)19:24:27 ID:jf9
新編かな…?
どんなキャラだったか忘れてしまった
wiki見てくる
486冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/08(月)19:51:48 ID:4Td
>>485
残念ながら新編はまだ先
wikiでタイガーの項目を見れば、大体の流れは掴めると思う
487名無しさん@おーぷん :2017/05/09(火)17:57:02 ID:Z4z
ムール「あれだ!」

ムールが指差した先、浜辺から不自然に突き出た細長い桟橋に丸太舟は停めてあった。
激しく脚体に打ちつける波のせいで、今にもひっくり返りそうだ。ミズハは疑問を抱いた。
星が見えるので、嵐ではないはず。
だが、この波立ち具合はどうしたものか。
白い飛沫の放つ、言いようもないこの禍々しさは何なのか。ただの杞憂であれば良いのだが、ミズハは自分の勘に自信があった。

ムール「おい、気分悪くなったか?」

ミズハ「いえ、何でもないです……。今日はちょっと波が立ってるかなと」

ムール「そうだな……まぁいい。早く渡ってしまおう。さ、乗れ。俺が支えてやるから」

ミズハは緋袴の裾をたくし上げ、恐る恐る丸太舟に左脚を入れた。心臓が跳ねる。脂汗が額に滲み出る。掟を破った上に、駆け落ちまで。
想像を絶するほどの重圧や罪悪感に、彼女は押し潰されそうだった。

ムール「いいか、悪いのは俺だ。お前は悪くない。もし奴らがお前を殺そうとしたら、俺は全身全霊をかけて奴らを殺す」

彼の言う『奴ら』とは、もちろん狂戦士族のことだろう。自分が、内紛の火種となっている。
この世から消えてしまいたい。そう枕を濡らした夜は幾日あったろう。だが、自殺など無意味であることを、ミズハは知っていた。
そして何より、小刀で首を切り裂く勇気が彼女にはなかったのだ。
488冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/09(火)17:59:42 ID:Z4z
狂戦士族は裏切り者の存在を許さない
地の果てまで追いかけ、その目と耳に溶けた銅を流し込む
銅がなければ油を、油が無ければ湯を
湯がなければ素手で頭をかち割って、脳味噌を裏切り者の口に押し込みます
蛮族の中の蛮族
489冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/09(火)18:07:13 ID:Z4z
ちなみにミズハが生きた頃の極東は奈良時代をモデルにしてます
8世紀前半あたりですかね
御長谷やヤクルトあかり、ハゲ陰陽師の時代はそれから300年くらい後なので、11世紀あたりが舞台となります
ちょうど、平安時代の中期。前九年の役があったころ
490名無しさん@おーぷん :2017/05/10(水)01:36:36 ID:T89
んにゃぴ…
491冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/10(水)23:25:36 ID:nsx
ミズハを舳先側に座らせ自らも乗り込むと、ムールは舟を漕ぎ出した。
荒波の航海は不安が残るものの、浜辺に止まれば死あるのみ。
降り注ぐ月光が潮の匂いと混じり合い、海を渡る一組の男女を蒼く照らし出す。
出だしは上々、左へ流されつつも順調に舟は島から離れていく。

ムール「ハハハ、やったぞ! こんな島とはオサラバだ! 俺達は自由になった!」

両手に握りしめた櫂を振り上げ、歓喜の雄叫びをあげるムール。

ミズハ「あの、王子様……。やっぱり引き返しませんか? 海まで来て言うのも、遅すぎたかもしれないですけど……」

ムール「やめろ、王子様なんて。ムールでいい。むしろムールと呼べ。敬語もいらん」

ミズハ「……ムール、さま」

ムール「様はいらん! この分からず屋め」

せっかく夫婦水入らずの状況となったのだ。周りに気を遣うことはない。
そう何度もムールは言ったが、島に来てからずっと続けてきた丁寧語をいきなり変えるのは、ミズハにとって難しいものだった。
自分が自分でなくなったような、不思議な感じがする。

ムール「俺が連れださなかったら、お前の命は遅かれ早かれ尽きていた。奴らは異邦人を毛嫌いする。純血を穢す悪魔としてな」

ミズハ「えぇ……お父様と私には、みんな優しくしてくれたじゃない」

ムール「クスシ? よく分からんが、医者にゃ手は出せない。ただし、娘は別だ。いつか村総出でお前の家を襲い、身体中の穴という穴に溶けた銅を流し込もうと会議していた」

ミズハ「……」

ムール「だが、どうでもいいんだ。もう俺達は島に戻らん。暗い話をしても仕方がない。そうだ、お前の親父。親父の話が聞きたい」

ミズハ「私の話は聞きたくない?」

ムール「いや、まずは親父だ。いずれキョクトーへ挨拶にいく。親父の好きな物を予習しておけば、良い婿だと褒められる」

ミズハ「ふふ、変な人」

ミズハは袖で口元を隠し、クスクスと笑った。
492カラームチョ◆MUCHOjWTUI :2017/05/12(金)20:43:40 ID:ZBx
(`;ω;´)
493名無しさん@おーぷん :2017/05/19(金)05:17:30 ID:Sjs
待ってるよ
494冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/20(土)00:52:51 ID:9kL
すみません
サークル関係で投稿が少し遅れます
もうすぐ終わる、もうすぐ終わると言いながら一向に終わる気配を見せないトハラ編











もうすぐ終わります
そしたらハルシャ編に入ります
極東はだいぶ先になりそう
495名無しさん@おーぷん :2017/05/25(木)06:03:02 ID:2yk
(´-ω-`)
496冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/31(水)20:54:09 ID:FLb
しばらくなんでも実況VIPに活動拠点を移します
番外編でエグバート王国と魔族について書く予定です
本編の過去といった位置付けで見てもらえれば幸いです
もちろん、キャラ募集もします
よろしくお願いします
497名無しさん@おーぷん :2017/05/31(水)21:57:03 ID:OEx
リンクお願いしたいな
498冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/05/31(水)23:51:57 ID:FLb
6月上旬に始動予定
499冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2017/06/01(木)14:59:12 ID:QIj
番外編ってか聖剣戦争編始動
まだ大まかなプロットしか決まってない
本編も暇があれば進めます
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livevenus/1496296647/l50
500名無しさん@おーぷん :2017/06/05(月)23:56:40 ID:wVR
どっちも見てるから取り敢えず更新はやくうう!
501名無しさん@おーぷん :2017/06/07(水)06:07:08 ID:CZR
(´-ω-`)
502名無しさん@おーぷん :2017/06/28(水)09:04:59 ID:0Kl

503名無しさん@おーぷん :2017/06/28(水)17:58:40 ID:PH4

504名無しさん@おーぷん :2017/07/04(火)13:31:54 ID:W8G
(´-ω-`)
505名無しさん@おーぷん :2017/07/26(水)18:04:54 ID:cNa

506名無しさん@おーぷん :2017/08/16(水)20:40:14 ID:eQq

507名無しさん@おーぷん :2017/08/29(火)23:58:28 ID:weD
Ho
508名無しさん@おーぷん :2017/09/01(金)01:36:24 ID:rT8
mo
509名無しさん@おーぷん :2017/09/14(木)18:53:15 ID:iDW
(´-ω-`)
510名無しさん@おーぷん :2017/09/28(木)00:22:43 ID:OlK
a
511名無しさん@おーぷん :2017/12/16(土)07:53:32 ID:OQ1
未完(´-ω-`)…
512名無しさん@おーぷん :2018/05/24(木)06:56:55 ID:H6T
エタったんか
513名無しさん@おーぷん :2018/05/29(火)16:22:18 ID:wxv
生きてるか?>>1
514冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2018/05/31(木)23:15:47 ID:3i0
生きてます
515名無しさん@おーぷん :2018/06/01(金)08:01:47 ID:ZLs
続きは期待してええんか?
516冒頓単于◆XuHlfjDjx0ab :2018/06/01(金)08:09:36 ID:Msd
就活期間に入ったので忙しくなりますが
続けていきたいと思います
517名無しさん@おーぷん :2018/06/26(火)21:55:16 ID:0IS
せめて生存報告くらいは……
518名無しさん@おーぷん :2018/07/01(日)20:48:56 ID:7zn


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