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だれかこないかな

4名無しさん@おーぷん :2017/10/05(木)23:25:10 ID:SDY()
この田舎町は不相変人通りもほとんど見えなかった。しかし路ばたのある電柱に朝鮮牛が一匹繋いであった。朝鮮牛は頸をさしのべたまま、妙に女性的にうるんだ目にじっとわたしを見守っていた。それは何かわたしの来るのを待っているらしい表情だった。
わたしはこう云う朝鮮牛の表情に穏かに戦を挑んでいるのを感じた。「あいつは屠殺者に向う時もああ云う目をするのに違いない。」──そんな気もわたしを不安にした。わたしはだんだん憂鬱になり、とうとうそこを通り過ぎずにある横町へ曲って行った。 

芥川龍之介『夢』
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